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ホームルームの開始を知らすチャイムが鳴り響いた。
「…屋上行こう、先生に見つかったら話の続き出来ないし」
なんて事無い様に言ってきて、俺は少し驚く。
「良いのか」
「や、大切な話でしょ？さっきはあぁ言ったけど、ちゃんと聞いてほしいから私に言ってくれてるんなら──聞かなきゃ」
優しい笑顔を俺に見せると、先生が居ないか確認しつつ前に進んで行った。
(…っとに…お前は)
似た者同士だと思う──それに間違いはないが、此奴は変わっている。こんな話をすれば、大抵の人間は距離を置いてくるだろう。それは個性上仕方ないとは思うが──やっぱり俺は、こんな個性が嫌だしヒーロー科の奴等が羨ましくて仕方がない。もっとヒーロー向きの個性ならって何度でも考えて、望んだが、そんなのは土台無理な話。だから、それは諦めるしかない。でも、たった１つ望んで良いんだとしたら──…
「人使？」
「あ？あぁ…」
いつの間にか屋上へ繋ぐ扉の前に居たらしかった。
「ちょっと風強いから、此処で大丈夫？」
よく見れば、ドアノブに手を置いたままこっちを見ていたので、外を見て確認したのだろう。踊り場の其処は、下から誰かが来ても死角になって見えない場所だったので首を縦に振る。
「不安そうな顔しなくても大丈夫だよ」
床に座り込むと同時に、そんな事を投げかけてきた。隣に座った彼女は、視線を合わせて優しく笑っているのだ。それが何となく、ダメな気がして──目に毒で、視線を逸らす。
「えーっと…」
「うん」
改めて話すとなると少し気恥ずかしい。
「俺の個性は…洗脳。俺の問いかけに答えたら、掛かるんだ」
「…………へぇ〜」
チラリと彼女を見──「で？？」とでも言葉が出そうな表情で、俺を見ていた。
いや、は？
「…え、いや…それだけ？」
「えっうん…まぁ、何だろ。周りが言いそうな事はよく分かった。でも私は、普通に…凄い個性だなぁって」
裏表ない返しだ。
「だってそれ…
「それに、個性を私に使ってないでしょ？だから、大丈夫！」
話す時に身構える様子もない。いつもと変わらない、話し方だ。
「えっ何？もしかして人使泣いてる？」
「…泣いてない」
「うっそだぁ！じゃあ顔見せてよ！なぁんでそっぽ向くのさ！」
「うるせぇ」
たった１つ望んで良いんだとしたら、俺の個性を肯定してくれる人に、会いたい。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
