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時間にして、多分15分とかそこら辺だったんだと思う。沈黙を破って、彼が声を出したのは。
｢聞いていいか｣
｢あ、はい｣
顔を上げて見たけれど彼は俯きがちで、視線が合う事は無い。
｢お前はなんでヒーローになりたいと思わない？｣
｢…はぁ…｣
気の抜けた返事で返してしまった。
｢そうですねぇ…｣
ヒーローになりたいと思わない理由。
｢大した事ではないんですよ｣
死柄木弔から視線を外して、手を弄る。
｢確か──小学生の時ですかね。4年生…うん、それくらい｣
｢両親と行ったデパート先で
｢あ、ニュースにもならない小さな事件ですよ？｣
大袈裟だと思われたくなくて、慌てて訂正を入れるが
｢いいから、話せ｣
なんてどうでも良さそうに返された。
｢…でもその時、私1人でトイレの方まで行っていて｣
｢気が付いたら人質にされてました｣
『家族とお出かけだったんだろうが──悪いな、人質になってもらう』
『良いか？騒ぐんじゃない、泣きわめくな、俺は小さな子供迄殺したくはない』
『分かった…』
『あぁ、利口だ』
今でも思い出そうとしたら細部迄思い出せる。
｢怖かったです、とても。鋭利な刃物を突きつけられてましたから｣
｢でもどうしても──悪い人には、見えなかった｣
｢あの人は悪い人みたいに振舞っている様にしか見えなくて、無理してるんじゃないかって｣
刃物を持っていたはずの手は、慣れないものを持って震えていた。突きつけていたとはいえ──私に当たらない様、細心の注意を払っていた様に見えた。
｢でも、彼は──｣
｢ヒーロー共に殺された？｣
｢…えぇ。彼等の勘違いによって｣
私の目の前で、彼は──夥しい程の血を吹き出しながら、倒れた。彼は決して私を殺そうとはしてなかったのに。先走ったヒーローに、体を撃ち抜かれた。
｢呆然と、その人の亡骸を眺めていた私に…その人は言いました『大丈夫かい、怖かったよね』と｣
｢なんて事無い様な顔で。その瞬間、私はようやくその人が死んでしまったんだと──泣いてしまって｣
｢でも｣
｢怖かったんだね、もう大丈夫──そう言われた？｣
｢はい｣
｢だろうな｣
顔を上げて──私と、彼の視線が絡む。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
