L O V E . ＃ 2

What's going on 3 ? ページ37

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｢なぁ、この前の電話…｣


｢あれ、お前の新しい男？｣


｢は…？｣
(何て言った、今？)



まさかの展開を迎え、
渋々会社内を案内しながら歩いて早10分


ようやく全ての案内を終えて
踵を返した私に対して
背後から聞こえてきた台詞に耳を疑った。



｢この前って、何…？｣



思わず足を止めて、
数歩後ろにいる元カレ・隼人に向かって
ゆっくりと振り返った。


いつ、どこで私が彼氏と居たというのか
まさか、海外から見張ってたの？


なんてあり得ない事を考えながら
眉間に皺を寄せれば…



｢なんだよ、忘れてんのか？｣


｢俺の電話ぶった切った時、｣


｢後ろで男の声してただろ…？｣


｢電話って、あっ…！｣
(すっかり忘れてた)



記憶からすっぽり抜け落ちていた彼の電話。
かけ直す、そう言ったきりになっていた事を
はっきりと今、思い出した。


するとそんな私を見た彼は呆れた表情で
私の側まで歩み寄ると肩に手を回して
にやにやと笑いながら詰め寄った。



｢で、どうなんだよ…？｣


｢…どうもこうも無いから！｣
(ちょっ、近い)



いくら元彼だからって
私達は既に別れているんだから、
この至近距離はさすがにヤバい。


必死に腕からすり抜けようと試みてみるけど
びくともしない腕の力。



｢ふぅん、何だ彼氏じゃねぇんだ…｣


｢………っ、｣
(アイツが私の彼氏なんて)


｢それは絶対に無い！｣



想像しただけでカッと熱を帯びて
熱くなる頬を両手で覆って
隠すように無理やり吐き捨てた台詞。


もちろんこんなバレバレな態度を
目敏い彼が見逃す筈も無くて、



｢ああ、何だ片思いってヤツ？｣


｢…っ、だから違うってば｣
(しつこいな、もう！)



にやりとほくそ笑んで言われた台詞が
悔しいけど図星すぎて、
私は慌てて肩に置かれた手を振り払いながら
彼から距離を置いて再び早足で歩いた。


アイツの話題が出ただけで
こんなに胸がドキドキしてしまうなんて…


一体いつの間に
私はこんなに好きになっていたんだろう？



｢…………っ、｣
(だって私はずっと)



隼人の事が大好きだった。
だから彼が海外勤務になった時は辛くて、
別れる事になった時は毎日のように
一人こっそり泣いたりしてた…


なのに、こうして実際に会えた隼人を見ても
以前より冷静にして居られる。


いや、それよりも会話にしか登場していない
アイツの存在の方が
こんなにも頭を支配している。




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