Why ? ページ48
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一週間振りに再会した彼女、
ナナと、またくだらない言い合いをした。
その日の夜は、
なかなか眠れずに気づけば朝になっていて
「壱馬、起きて!」
北人は溜まりに溜まった洗濯物を
カゴいっぱいに積み込むと大股で
未だにベッドでうだうだとしている俺を
避けながら叫ぶ。
ああ、寝不足の頭に響くからやめろって。
そう心の中で呟いて
俺は更にギュッと固く目を閉じた。
すると、
すぐに溜め息が聞こえてきて…
「まこっちゃーん」
「壱馬の事、起こしてくんない?」
カーテンを開け、窓を開けた北人は
呆れ気味に慎にそんな頼み事をした。
すると、慎はファッション雑誌を読んでいた
手を止めて雑に布団を叩きながら言った。
「壱馬さーん」
「起きてくださーい」
「…………。」
(いや、扱い雑すぎん?)
何とも面倒くさそうな言い方に
少しムッとした俺は意地になって
ごろんとわざとらしく寝返りを打ち
慎に背中を向けた。
すると、洗濯物をベランダに置いた北人の
叫び声が部屋中に響いた。
「ちょっと壱馬、そろそろ起きてよ!」
「ん゛ん、もうちょっと…」
俺は昨日お前らが変に煽ったせいで
あの女に意味不明な行動取った挙句、
鍵まで投げ付けられたんやで…?
と、怒りの矛先はおかしな方向へ向く。
口に出して言えない憤りを抱えたまま
小さく言った一言は北人の機嫌を
更に悪くしてしまったようで、
「いや、寝すぎだし!」
「さっさと起きて、洗濯物干すの手伝って」
「なぁ、慎、代わりにやってくれん?」
「え゛え、嫌ですよ、今日は壱馬さんの番だし…」
「…………。」
(相変わらず生意気やな)
大音量で叫んだ北人の声に耳鳴りがした。
寝不足の瞼を渋々開けて、
隣に寝転びながら慎の雑誌を覗いていた樹に
目を細めて無言で訴えかけぽつりと呟く。
「樹、ほんまに頼むわ」
すると樹は、
あからさまに嫌そうな顔をして…
「俺、さっき掃除当番やったばっかなんで」
と、ばっさりクールに言い放った。
確かに今日は俺が洗濯当番の日やった気がする
けど、このまま素直に起きるのも何か癪で…
相変わらずベッドの上でうだうだしていた俺に
ついに北人の怒りが爆発した…
「ああ、もう誰でもいいや」
「とにかく手伝って!」
「……………。」
(結局、こうなんのかよ)
渋々、ダルい体を起こし
寝癖の付いた髪を掻き乱す。
ベランダに置かれたカゴから
洗濯物を取り出して
適当にハンガーにかけて
さっさと終わらせようとすれば、
また目敏い北人は細かくそれを指摘した。
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました!何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します! (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます!すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです!ありがとうございます! (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます!一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです! (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです!この作品大好きです! (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やよい | 作成日時:2020年3月16日 16時