What a prosaic story 4 ! ページ35
.
｢……あ、｣
(居たわ、普通に)
マンション前の狭い道路。
街灯に照らされた彼女は
ふらふらと危なっかしい足取りで
スマホ片手に誰かと通話していた。
「アレ、多分っていうか、確実に酔ってますね｣
「…………。」
(確かに、そんな雰囲気やな)
隣に移動してきた慎は突っ立っていた俺に
顔を寄せてそう耳打ちをした。
ぼそっと呟かれた言葉にゆっくりと
慎へ視線を合わせてみれば、
｢行かないんですか？｣
と、にやりとほくそ笑み俺の肩に腕を回して
楽しそうに言う。
｢は、何で俺が…｣
(慎の奴)
勢い良く体を離して距離を置いた俺の
イライラした表情に、
慎はまたニヤニヤしながら
距離を詰めてこう言った。
｢会いたかったんですよね？｣
｢ナナさんに｣
｢……っ、｣
(ほんま生意気な弟やな)
分かりきったように言った慎は嫌みな笑顔で
俺に目配せすると、ポンと俺の肩を叩いて
先にマンションへと入っていった。
すると、それを見ていた他のメンバーも
わざとらしくそそくさと
マンションの中へと歩いていって___
｢ちょ、待っ…｣
手を伸ばし慌てて叫んだ俺の右手は空を切り、
北人を筆頭とした同居人の三人衆は
いたずらに笑って口を揃えた。
｢｢｢頑張って、壱馬(さん)！｣｣｣
｢いや、だから、何をや！｣
(無駄に煽んなって、なぁ…)
メンバー達の意味不明な気の利かせ方に
無理矢理に塞いだ何かが音を立てながら
ざわめきだすのを
俺は胸の奥でじわじわと感じていた。
｢に、しても…」
酒に酔ってふらふらしてるなんて、
やっぱり色気の無い女やな
そう、思えば
何故だか無性にそのだらしなさが気になって、
未だふらふらと覚束ない足取りで歩く彼女を
ただ、只眺めながら小さく笑みを溢した。
やっぱりアイツ、
絶対彼氏居らんわ___
L O V E.
Story 8 What a prosaic story !
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
