What a prosaic story ! ページ32
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番組収録の日から数えて今日で一週間。
俺達は新曲に合わせた
プロモーション活動に追われ、
あちこち地方へと飛び回る毎日を過ごしていた。
その間マンションに帰る事は出来ず、
もちろんナナと会うことも無かった。
｢平和や…｣
これだけ多忙なスケジュールを
入れられていると言うのに
文句のひとつも言わずに上機嫌でこなす。
何故なら、
この一週間無駄な苛立ちを考える暇もない
タイトなスケジュールが
今の俺には合ってたから。
｢何かさぁ、壱馬｣
｢最近、ふとした時よく笑ってない？」
｢やっぱり、何か良いことあったでしょ？｣
雑誌撮影の合間を縫って
軽めの昼食を取っていた俺に
隣に座っていた北人がサンドイッチを片手に
持ったまま、ニヤニヤ笑ってそう言った。
｢良いこと…？｣
とりわけて、良いことなんか無い。
ただ余計な感情に振り回されなくて済んでる
この状況が気楽なだけで。
本当に、ただ、それだけだった。
｢いや、別に無いけど…｣
｢何で？｣
｢……？｣
(何でって)
俺がサラダに突き刺したフォークを
その場に置いたままそう返せば、
北人は途端にきょとんとして
不思議そうな顔をした。
｢何だよ…？｣
｢んー、いや、別に何でもない…｣
(壱馬は無意識なのかな)
そっかぁ、と一人納得したように頷いて笑い
ようやくサンドイッチを口に頬張った
北人の表情が少し気になったものの、
｢………？｣
(変な奴)
とりあえず時間も無いので
再びフォークを手に取りサラダを食べながら、
俺は何がそんなにおかしいのかも
分からないまま、ただ昼食を取り終えた。
｢…………。｣
(ナナは今頃何してんのやろ)
ふと脳裏にそんな事が過り
ぼんやりと彼女の事を考えたけれど、
たちまちハッとして、
｢…………うわ｣
(もう、またや)
時々、空白の時間を与えられると
何故か不意に浮かんでは消える意識に
俺は頭を掻き乱して憤慨した。
最近ずっとこんな調子の俺を
最初は不思議そうに見ていたメンバー達も
今じゃもう慣れてしまった光景に
何も言わなくなった。
｢…………っ、｣
(ホンマ、どうかしてるわ)
たった一人、
それも俺の事なんかどうでも良さそうな奴。
そんな奴に離れていても尚、
惑わされている。
仕事をしていれば、
何も考えずにいつもの自分でいられるのに…
｢壱馬さん、｣
｢次、皆で撮影らしいですよ｣
｢おん、分かった｣
まだ素直には認めたくない。
この気持ちの正体から俺は目を背けていた
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
