例 え ば の 話 / Y O U ページ14
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『いや、待って。なに、その、後藤さんってやつ…』
「何って、あの、ウーバーの登録、後藤神ってなってたので…」
どこか、探りを入れるようなその口振りで分かる。
多分、彼はさっきの一言で確実に私に警戒心を抱いたらしい。
少し低くなった声質と私を見定めるような目線を向けた彼に
恐る恐る、ありのままを告げた。
すると、少ししてから
ようやく腑に落ちたようで＿＿
『あー、それでか。なるほどな…』
と、強ばっていた表情をほんの僅かながら緩めた彼に
ホッと肩をなで下ろしたんだ。
でも、何となくこの場の空気を悪くした気がして
申し訳なくなって、
「あの、ごめんなさい、勝手に名前とか呼んじゃって…」
咄嗟にそう言って、
苦笑いを浮かべながら謝ったんだけど…
そんな私の姿を見た途端
何故だか、今度は彼が苦笑いをこぼしていて
『あー、違うから。別にその、名前呼ばれたから
俺が怒ったとか、そんなん事じゃ無くって…』
『ただ、後藤さんって誰やろ？って思ったら
一瞬、頭ん中が？マークになったってだけで…』
ぽつりぽつり、と事細かに説明してくれる辺り
やっぱり彼は優しい人だと思うものの…
その説明を聞かされて、
今度はまた新たな疑問が出来たのも事実で
「あの、後藤さんって、あれが本名じゃなかったんですか？」
そう、これだ。
ずっと彼の名前は後藤さんだと思い込んでいたから
まさか偽名だったとは思わなくて、
だったら、本当はなんていう名前なんだろう？
こうなると、もう
どうしても本名が気になって堪らなくて。
思わず、私が口にしたその言葉に返ってきたのは
思いもよらない台詞だった。
『んー、さぁ？どうなんやろね』
『俺も、その辺はよう分からんのよな、あははっ！』
「…………。」
(うん。多分だけど、今また線引きされた気がする)
この数分で、少しだけ分かった事がある。
彼は自分のプライバシーに関わる事に対して
ものすごく警戒心が強いタイプなのかもしれない。
多分、自分のテリトリーに余所者は入らせたくなくて
本当に心から信頼した人以外は寄せ付けないから、
軽々しく入ってくんなよって、ことか。
秘密主義者＿＿
そんなシンプルな言葉で片付けるのは簡単だけど
多分それはきっと彼からしたら心外なんだろうな。
だけど別に警戒するのは悪い事じゃないし、
良い人そうに見えて実は悪い人だったなんて
そんなことも全く無い訳じゃないから…
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やよい(プロフ) - 凛さん» 素敵とか言って貰えて本当に嬉しいです。感謝！笑 このお話、長くなりそうなのでのんびり付いてきてくださいね^^ (2022年10月4日 19時) (
レス) @page36 id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 作品が素敵すぎて完全に沼です笑 二人の絡みが大好きです❤ (2022年10月2日 23時) (レス) id: cf87f55bfc (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - nonさん» こちらこそ有難いお言葉です！一度お話書き始めると止まれないタイプなので、無理せずやっていきますね！笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 音翔さん» ありがとうございます！思い付きで始めてオチも何も決めて無いですが、完結できるように頑張りますね！ (2022年10月2日 15時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - 素敵な小説読ませて頂いてありがとうございます！めちゃくちゃドキドキします！更新が待ち切れないですが、お忙しいとの事体調等お気をつけてくださいね！楽しみに更新待ってます！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page25 id: 0a181b56cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2022年9月27日 23時
