7 Days Wonder ..

#DAY 2. Flight. ページ6

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私の落とした航空券を拾ったのをきっかけに
知り合ったのは神谷健太と名乗る彼。


そして偶然な事に、
彼も同じ便で沖縄に向かうのだと知り
空港のラウンジで搭乗時間まで
時間を潰すことになった。



『ナナさん、歳いくつ？』


「私？24歳だけど…｣


『えっ、マジ？』


『何だ、じゃあ俺等、同級生(タメ)じゃん』


「えっ、本当に？｣



私より若いかと思ってた。
でも、同じ歳だと分かると何故だか
急に親近感が沸いてくるから
人間の心理は不思議だ。


少し近付いた彼との距離に
思わず笑みが溢れた。



『じゃあさ、今からナナって呼んでいい？』


『俺の事も健太って呼び捨てで良いよ』


「え、あっ、うん｣
(何か久しぶりの感覚だな)



同い年なのだから名前で呼ぶのは
別に変わった事じゃない。


だけど、同性じゃなく
異性から名前で呼び捨てにされるなんて
彼氏以外では何年ぶりだろう？


何だか聞きなれない感じがして
少しくすぐったいような気分。


すると、彼は
ずっとかけていたサングラスを外して
歯を見せてにっこり笑うから、



「…え、何？｣



よく分からずにキョトンとして
思わず首を傾げた私に
健太はすっ、とさりげなく
手を差し出して言った。



『いや、だって同い年の男女がさぁ…』


『たまたま出会ったその日に』


『同じ時間の便で飛行機に乗って』


『行き先も同じ沖縄だよ？』


『こんな偶然、滅多に無いっていうか』


『何か、まるで運命みたいじゃん』



せっかくだから
楽しまなきゃ損でしょ？



そう言って、私の手を取り
ぎゅっと強く握手を交わした健太は
そのままその手をぶんぶんと振り回して
無邪気に笑って見せた。
そうして、



『あー、後さぁ、沖縄って俺の地元なんだけど』


『沖縄の方言で、"いちゃりばちょーでー"って』


『そういう言葉があんの』


『まぁ、"一回会ったら皆兄弟"って意味なんだけど…』


『だから、出会いは大事にしないと駄目じゃん？』


「あははっ、そうだね！｣
(確かに一理ある)



こんなに沢山の偶然が重なることなんて
限られた人生の中に
あと何度あるか分からない。


だとしたら、健太の言うように
この奇跡的な偶然の重なりに
身を任せてみるのも悪くないかもしれない


目の前できらきらと大きな瞳を輝かせて
眩しく笑う健太につられて
私も笑って頷いた。







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