7 Days Wonder ..

#DAY 6. Perfume. 6 ページ32

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『何だ、男も一緒かよ…』


『だったら、ちゃんと捕まえとけっつーの』


『…おい、行くぞ！』


「……へ？」
(あ、もしかして助かったの？)



話す言葉は違っても、お互いの顔付きや
その言葉のニュアンスを聞いていれば
何となく会話は成立しているようで


あれだけ執拗に私を連れて行こうとしたくせに
健太の姿を見るなり
あっさりとその場から立ち去っていった。



『ナナ、大丈夫？』


「うん、私は大丈夫だけど…｣



彼等が居なくなったのを確認すると
健太はすぐに後ろへと振り返って私の肩を掴んだ。


慌てた様子でじっと凝視するから
何も無かった事を告げると、



『ごめん、遅くなって…』



それを聞いた健太はホッとしたのか
ふぅ、と息を吐くなり肩を撫で下ろして
申し訳なさそうに眉を潜めた。



「ううん、助けてくれてありがとう｣


「健太が居なかったら危なかったかも…｣



健太の顔を見て安心したのか
今頃になり手が震えだした事に
苦笑いになりながら、ホッと溜め息を吐く。


そんな私に健太はそっと私の頭を
胸元に押し付けるようにして凭れさせると、



『ごめん、ナナ』


『もう絶対、一人にさせないからさ…』


『だから、ナナも俺から離れないで』


「健太…」



ぎゅっ、と背中に回された腕。
力強く抱き締められた彼の胸からは
さっきと同じ香水の香りがして、



｢……っ、｣
(この香り、健太っぽい)



なんて事を頭の中でぼんやりと意識しては
どくん、どくんと鼓動が激しくなって
健太にまで聞こえてしまいそうで
思わず身体が強ばる。


だけど気付いたのは、



｢………。｣
(健太もドキドキしてる？)



触れ合った肌から伝わる健太の鼓動は
私と同じように脈が速く感じて
この気持ちは私だけじゃないのかも…


なんて思ったら、
嬉しくて堪らなくて
にやつく顔を健太に知られないように
こっそりと俯いて隠した。





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