7 Days Wonder ..

#DAY 6. Perfume. 3 ページ29

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『貸して』


「……っ！」
(ちょっと、近い近い、近いんだって)



ぐっ、と体を捩った健太が近付いてくるなり
私の手にあったベルトを奪って
それをカチャ、っと装着して、



『おっけ、出来た』


「……うん、ありがと」
(ああ、心臓に悪い)



じゃあ、行くよ？



なんて、全然気にしてない感じで
さらりとまた前を向いて車を発進させる。
私一人だけ健太の掌の上で転がされてるようで
少し恥ずかしくなって俯いた。


それから少しして、
海沿いにある目的地・波上宮に到着。



『どう、綺麗でしょ？』


「うん、沖縄来た！って感じする｣



波上宮の真下にあるビーチから見える海は
とても綺麗だった。
澄んだ青い色とビーチの砂浜を眺めていると
荒んでいた心も洗われるようで…


都会の喧騒を離れて見えたこの景色に
思わず、胸がぐっと高鳴った。



『パワースポットなんだよ、此処』


『せっかくだからお参りする？』


「うん、行きたい」


『ん、じゃあ、行こっか』


「……っ、」
(期待しちゃ駄目なのに)



そう言って、さりげなく自然と繋がれた手に
また胸の辺りがぎゅっ、となって
どんな表情をしたら正解なのか
分からなくなって、
緩みそうになる唇をぐっ、と噛み締めた。



『ナナ、こっち』


「わ、待ってよ、健太…！｣



大きな鳥居をくぐった先にある階段を
テンションの上がった健太が早足で登るから、
私はそのスピードに追い付けなくて
足がもつれそうになりながら
何とか必死に階段を登っていた。


ようやくあと一段、という所で
パンプスのヒールが階段に引っ掛かって…



「わ、わっ…！｣
(ヤバい、コケそう)


『…っと、大丈夫？』


『ケガ無い？』


「うん、私は大丈夫…」



踏み外しそうになった私の腕を掴んで
咄嗟に引っ張りあげてくれた健太のおかげて
何とか転ばずに済んだものの…





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