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行動して深く傷つくこと。

行動せんと後悔すること。



以前の俺は傷つくことより後悔をとってその後悔にずっと呪われてきたわけで。

それやのに、また同じところで迷ってる。


俺を戸惑わせているのはきっと…――




――これは、デートじゃないよ。


そう言った彼女の表情を俺は前にも見たことがあった。

彼女が自分を欠陥だらけだと言うから、何が欠陥なのか聞いた時も確かに同じような表情をしていた。


やり切れないような、何かに絶望を感じて呆然としているような、そんな顔。




彼女は相変わらず首を前に傾けて寝ていた。

そのうちに、彼女の降りる駅のひとつ前の駅に着いて何人かのサラリーマンが降りるとドアが閉まる。



「山田さん、もう着くで。」


手を伸ばして、彼女の肩に触れると彼女はぴくりと微かに全身を震わせた後、ゆっくりと顔をあげて俺を見上げた。


「あ…ごめん。寝てた。」


隙しかないような顔で柔和な表情をするからほんまに心臓に悪い。


「家まで送ってく。」

「え、いいよ別に。一人で帰れる。」

「もうこんな時間やし、危ないから。」

「大学生の女の子じゃないんだから。」

彼女はまだ酔いの残った顔で小馬鹿にしたように笑った。

「女の子は女の子やろ。」

壁を作られたって怯んでる場合ちゃうって彼女の目を真っ直ぐ見ながら言うと、彼女はため息をつく。



電車はゆっくり減速し、アナウンスが流れ彼女の最寄駅に到着した。



駅を出て彼女の家につくまでの間、彼女はどこか不機嫌やった。

一言も彼女からは言葉を発さず、俺が取るに足らないつまらない事を言うたびに、「ああ」とか「そう」とか短い返事をするだけ。


俺の顔はまともに見いひんし、すたすたと俺をわざと置いていくみたいに足早に歩くし。

彼女の感情の変化とその理由が、やっぱりなんにも分からへん。


そして、それは単に彼女が気まぐれで気分屋なだけやからなんとちゃうんかって思えてきてもいた。



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蒼 夢見子(プロフ) - 茜音さん» 茜音様、初めまして。有難いお言葉に胸が熱くなりました…後先考えずにがむしゃらに書いてしまった荒すぎる出来の中でふたりの互いに想い合う気持ちは一番慎重に書いたのでそう言っていただけてとても嬉しいです!こちらこそ読んでくださりありがとうございました^^ (2018年11月10日 23時) (レス) id: d57fe18bd1 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - はじめまして。あまりにも続きが気になって一気に読ませて頂きました。描写はもちろん、ヒロインと大倉くんのお互いを想う切実さが綺麗で、思わず息が詰まりました。とっても素敵なお話をありがとうございました。 (2018年11月9日 15時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼 夢見子 | 作成日時:2018年8月7日 18時

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