二日目(6) ページ10
ヒュ、と息を飲む音がした。
振り返るとさっき病室で別れたばかりのカラ松さんが立っていた。
思わず震えだす体。
足音なんて聞こえなかった。
何でここにいるの？
いつからそこにいた？
カラ松さんには何か秘密がある。底知れない何かを隠してる。
もはや、先程話してた時と同じ目では見れなくなっていた。
『な、んですか…』
｢何をそんなに怯えているんだハニー？｣
言えない。
正直になんて言える訳がない。
言ってはいけない
……一旦落ち着こう。
大丈夫、カラ松さんはきっと何か用があって来ただけだ。
『…何でもないです。いきなり後ろから声がしたからびっくりしちゃって。何か用ですか？』
まだ若干体は震えているものの、声は何とか平静を保つことができた。
｢驚かせてしまったんだな。すまない。
やはり最近は物騒だから送っていこうと思ってな｣
『……』
物騒も何も、ここは病院内だ。
セキュリティはちゃんとしてるし至って安全である。
『…ではお言葉に甘えて』
カラ松さんはここを外だと思いこんでる？
外だと思っているなら紳士なカラ松さんのことだ、女性を一人で帰すわけにはいかないと思ったのだろう。
『カラ松さんの好きなことは何ですか？』
まずはカラ松さんのことを知ろう。
カウンセリングをする上でこれは基本だ。
｢フッ、ホビーか…オレは普段、釣りをしたり公園でサンシャインを浴びたりしているな。｣
ふむ、割と外に出るのが好きな人なのかな。
『カラ松さんはアウトドアなんですね』
｢あぁ。愛用のサングラスをかけて外に出るのは気持ちいい。…だがハニー、キミがいればこの静寂にも一筋の光が指すだろう。｣
要するに、外に出る時はいつもサングラスをかけているのか。
うん、それは容易に想像できる。
｢…ある日、オレは魚に愛を育んだことがあった。だが、世界中のカラ松ガールズの存在を知ってか、この想いを受け取ってはくれなかった。…ギルトガイ、なオレ…フッ｣
あれ？急に想像できなくなった。
魚に愛を育んだ？？
…………
……あ、つまり魚が釣れなかったってことか
なかなか解読が難しいな。
時間を掛ければなんとなく意味が分かるところがまた何とも言えない。
｢…もう着いてしまったか。ハニーといると時が過ぎるのは早いな。今日は疲れただろう、ゆっくり休むんだぞ｣
『送ってくれてありがとうございます。カラ松さんもしっかり休息をとってくださいね。』
まるで本当のカップルみたいだ。
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舞香 - ふふっ怖くていいですね…！続き気になります…頑張ってください応援してます…！←生きる気力のないクズからでした… (4月9日 22時) (
レス) @page13 id: 30c4979b7d (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - なり金さん» ありがとうございます。割と伏線をしきつめてるので、読みながらぼんやり考えていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 22時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
なり金(プロフ) - 怖いけど楽しいですね！！ (2020年5月23日 17時) (レス) id: c41c7ba354 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 永夢さん» ありがとうございます。ドキドキハラハラな感じを目指してるのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2020年5月14日 14時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
永夢(プロフ) - ちょっと見るつもりが、続きが気になってきました！ (2020年5月13日 1時) (携帯から) (レス) id: 412e09563c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月31日 16時
