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「警部!すぐに遠山和葉のスマホを調べてくれ!」
「え、えぇ…しかしどういうことです?」
「なんで最後の1枚が残されていたんか…それは決勝戦に誰が進むか分からんかったからや!」
俺の言葉に真相が分かったらしい服部が焦ったように警部に言えば、彼もまた目を見開いて「ということは…」と青ざめた。
…そう、ターゲットは、
「皐月堂に集まってる3人…!」
───阿知波さんと、紅葉さん、…そして、和葉ちゃんの3人のことだ。
綾小路警部が慌ててスマホを取り出したのと、メガネをかけた1人の女の子が木々の影から現れたのはほぼ同時だった。
「っ、な…!」
「A…!?」
思わず息を呑む俺の横で、服部が驚いたように彼女の名を呼んだ。
…俺らの目の前に立っているのは、紛れもないAだ。
「お前、なんで…」
走ってきたのか、肩で息をしている彼女はメガネを外した。
…追跡メガネで、俺を追ってきたのか。
『なんも、言ってくれないんだもん…』
怒っているようで、今にも泣いてしまいそうな声が焦りでピリピリしていたこの空間に微かに響いた。
そう言われてみれば、こっちに来てからAといる時間は確実に少なかった。
『こっちは心配でっ…!』
そこまで言って目を伏せるAに、俺はぐっと言葉を飲み込む。
だからってそんな…、なんて言う権利…俺には無い。
俺らの中でどうも言えない沈黙が流れる。
そんな中、スマホで部下と連絡を取り合っていた綾小路警部が「やはり届いていたか…!」とこちらを向いた。
…俺らの推理通りだったみたいだ。
走り出そうと足を踏み出した時、ふと腕を掴まれた。
『待って…!』
ぎゅうっと俺の腕を掴むAは、下を向いたまま唇を噛み締める。
『私も行く!!』
「いや、それは…」
『お願いだから…!!』
珍しく声を張り上げるAに、俺は思わず目を見開く。
『勝手に新一がどこか行っちゃうのは、やだ…』
「…A、」
『待ってるだけなんて、もう嫌なの…!』
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↑ここなっつ↓(プロフ) - お気に入り1000人おめでとうございます!!!ほんっとにいつ読んでも面白くて、hit数の100回分ぐらいは私です笑ピュアっピュアな関係が最高です!ませていただきます!! (2021年1月26日 0時) (レス) id: 71253ca668 (このIDを非表示/違反報告)
hihi - 全部読ませていただきました!!とっても面白いかったです! (2020年4月14日 18時) (レス) id: ce767b5d1b (このIDを非表示/違反報告)
さわおり(プロフ) - すごくおもしろかったです!!新しい映画シリーズ楽しみです!!更新頑張ってください! (2020年4月10日 23時) (レス) id: 5567e38aaf (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!夢主ちゃんとコナンくんの恋がどのように、進展していくのか楽しみです! (2020年4月10日 10時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぜんぶ最高でした!!よければゼロの執行人も見たいです! (2020年4月2日 10時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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