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蘭 side.
食堂に集められていた乗客は、テーブルに並べられたお菓子を食べたり喋ったりしていて平和な雰囲気だった。
…にも関わらず、なんだかソワソワする。
Aはコナンくんを追って行ったきり戻って来ないし。
やはり探しに行った方がいいんじゃ…、とカバンに手を伸ばしかけた時だった。
「…あ、あの、」
「ボク、どうしたの?迷子?」
私たちのテーブルに近づいてきた1人の少年。
私は伸ばしかけた手を引っ込めて彼の方を見る。
「あ、勇気くん…」
「知り合い?」
「いや…」
私の方を見て尋ねる園子に、小さくだけ頷いた私は「どうしたの?またお父さんとはぐれちゃった?」と勇気の目をじっと見つめる。
勇気くんは下を見つめたまま一瞬固まったかと思えば、
「みんなと一緒に居たお姉さんは…?」
私の目を見つめ返してきた。
お姉さん…って、Aのことかな。
「それってAのことじゃない?」
私と同じように、園子が思い浮かべたのもAだったみたい。
「そういえばAお姉さんどこ行っちゃったんだろう?」
「また迷子にでもなってんのかしら…」
園子や歩美ちゃんの言葉に、勇気くんの顔色はますます不安そうになっていく。
それと共に、私の脳裏に浮かぶ嫌な予感。
…また何かに巻き込まれてるんじゃ。
「Aなら、コナンくん追ったまま…」
お菓子をつまみながら「あ、それならガキんちょと一緒に居るんじゃない?」なんて言う園子だけど、私はカバンを掴んで立ち上がる。
「ちょっと私2人のこと探してくる」
「あ、ちょっと蘭…!」
後ろで園子の呼ぶ声が聞こえたけれど、動き出した足は止められない。
勇気くんからろくに事情も聞かずに、私は食堂を飛び出した。
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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