【名探偵コナン】世界はあなたの色になる。【絶海の探偵】

□２６． ページ27

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まぁ、勝てるわけないんだけど。
それでも時間稼ぎにさえなれば、みんなが来てくれるはずだから。

警察の人が、蘭が、…新一が。


不意に、カッと目を見開いたX。


『っ…くぁ』


抵抗される…というよりも一瞬だった。
体を半分起こしたXに、掌底で胸を突かれて弾け飛ぶ。

数メートル後ろに飛んだ私は倒れ込まないように足を踏ん張らせると胸を押さえて眉をひそめた。


『…ったぁ』


じくじくと心臓が痛むような感覚。

…でも、ここでくたばっているわけにはいかない。


走り出した私は攻撃を繰り返す。



「…がッ」

『！入った！』



くるりと振り返った勢いで鉄パイプで殴ると、見事に鳩尾に入ってくれた。

鳩尾を押さえながら倒れ込んだXの方へ“今だ”と駆け出した時だった。



『あわっ…！』


Xが咄嗟に掴んだ綱。
それを鞭のように振ったかと思えば、私の腹に直撃する。

その勢いと一撃の重さで持ち上げられた体が大きく仰け反る。



負けじと投げた鉄パイプ。
綱を掴んでいたXは不意打ちのそれにかわすことが出来ずに右頬に食らう。

その反動でXの振るっていたホースが私の足を引っ張った。



『きゃあ…！！』


その一瞬の隙をXが見逃すはず無く、彼が綱を引けば私の体はふわりと浮いて、



『─────ッ』



叫ぶ間もなく海に向かって投げ出された。









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