お兄は激怒した。 ページ17
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葛葉さんと話し込んでいた。
お兄の活動者エピソードとか、こんなことがあったんだよとか、めちゃくちゃ教えてくれた。お兄の1面を知れたと思うと同時に、かなかなの本当のとこを知った気持ちになってしまい、少し感情が入りまじる。人間特有の優越感とともに襲い込む罪悪感に似たものが、私をしめる。ぐるぐると考えながらプリンも食べ終わり、帰らないと怒られそうだな、と思ったのも束の間。開けられた玄関の音と、葛葉さんを呼ぶ途中で声が途絶えた。あ、待って、バレたかも。
そう思った刹那、勢いよく廊下からリビングへと繋がる扉が開いては、目を見開くお兄がそこにいる。あ、これ、怒られるやつだ。そう察した瞬間、ソファーで隣に座っていた私の腕を掴み、即座に葛葉さんとの距離ができる。お兄、それは何がなんでもやりすぎでは?そう思うがお兄の顔が見えない。だってめちゃくちゃ怒ってるから。ぎぎぎ、と目を逸らし続けていれば、声に出したのは葛葉さんが最初だった。
葛葉「おかえり〜叶。Aちゃん来てたぞ。」
叶「見ればわかるし、なに仲良さげに話してたの。てかA、今日は来ないでねって話したよね?」
「お兄がこっちに荷物間違えたからじゃん!必要なものかと思って届けに来てあげたのに!!それに連絡しても既読つけずにいたのはお兄じゃんか!!!」
叶「あーーーごめん。拗ねないでってA。お兄が悪かったから。ねっ?」
「やだ、しーらない!」
葛葉「お兄が悪かったから〜〜〜!!??」
叶「ちょっとこの吸血鬼捨ててくるから待ってて。」
葛葉「すいませんすいません、ちゃいます、ちゃいますやぁん!!てか、叶ってほんとに過保護なんだ。Aちゃんから聞いてた通りだわ。」
叶「名前で呼ぶのやめて。本当にやめて。」
「私が許可したんだからお兄には関係ないです。」
叶「だめです、お兄ちゃんの言うことの方が強いんですー。」
「お兄やだ、葛葉さんの方がいい。」
叶「は????????」
ヘイトを取り敢えず葛葉さんに向けておこうと思い、そんなことを言ってみればマジトーンの声に心臓が跳ねた。葛葉さんからは「Aちゃん!?あれ!?俺の事売ったァ?!」と言われたが、聞こえなかったことにしておこうかな。いやいや仕方ないって、これは。たまたまが重なりすぎただけなんだよね、実は。
なんて思っていたのなら、お兄にくどくどとガチ説教を30分させられた。悔しい。
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えある。 - 更新楽しみにしてます!神作ありがとうございます。 (4月3日 7時) (レス) @page40 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
y - 続きが欲しい!!面白い!! (2023年3月30日 18時) (レス) @page36 id: b07f6cd4e6 (このIDを非表示/違反報告)
莉叶(プロフ) - 兄妹愛?が最高すぎて爆発しそうです (2023年3月28日 0時) (レス) @page11 id: dddba37a2f (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - は? のマジトーンw面白い。 (2023年3月22日 12時) (レス) @page18 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - おだんごさんしまいさん» 主じゃないし共感した報告ですが、、、15日前くらいに国語の授業でやったんですよ。確かにwはしょれメロスだw ナイスです、、、 (2023年3月22日 12時) (レス) @page17 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年3月18日 0時