「馬鹿だなぁ、」 ページ14
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お兄はいつだって、私の扱い方が上手い。
私が本気で嫌がることは絶対にやらないけど、私を煽てて、喜ばすことは全力でやるような人だ。運動会でリレー嫌だ、って泣いたとしても買ったら、アイス2個食べようなんて言葉でつってきた。ピアノの発表会も嫌だ、と騒げば演奏したら次の休みはテーマパークに行こう、って小さな私を誘導させるのがうまかった。きっと今もそれは変わってない。お兄は私のことを操るのがうまい。本当ならその事にさえ嫌悪を覚えるはずなのに、お兄ならいいやなんて思う私は、お兄に弱いのだろうか。
微かな息を飲むような音に耳をすませては、お兄の声を聞いた。どんな嫌な言葉を言われても、お兄の言葉だから、と言った魔法だろうか。
叶「馬鹿だなぁ、そんなこと気にしてたの?」
「わ!もうさ!!私が真剣に悩んでるのに!!」
叶「ごめんって。けどさ、僕は僕だよ、A。いくら誰かになったとしても、世界で1人だけのAのお兄だよ。」
「うぅ〜〜〜〜〜、そーゆーのずるいってだから〜〜!!!」
叶「なんでまた泣くのさ。ご飯ありがとう、配信中に食べるね。」
「ん、………わかった。」
叶「あとほかに言うことは?」
「ごめんなさい、怒って拗ねて。無理に食べなくていいからね、お弁当とかに入れればいいし。」
叶「ちゃんと食べるよ、妹が作ったもの食べないお兄ちゃんがいるとでも?」
「なにそれ。ありがとうお兄。」
私が気にしていたことを、綺麗に取り除くようにと、安心させてくる。それにポロポロとまた涙が溢れてきては、お兄からの言葉にボロ泣きしてしまう。お兄のこーゆーとこ本当に昔から嫌!!それに素直に謝りながらも、絶対に食べるというお兄の言葉に笑った。なにそれ、お兄。私に優しい言葉をかけてくれるのも、たまに厳しい言葉をくれるのもお兄ばっかだな。
助けられてばかり、甘やかされてばかりだと自覚していた。けど、それから逃げようとも離れようとも思わなかった。だって、嫌な訳では無いから。そんなの結局甘ちょろいだけの、世間知らずに育っていくのかもしれないけど。お兄がいつかもっと遠くに行っちゃうその前に、もっと甘えておこう。だってお兄が許してくれるんだもん、いいよね。
叶「そうだ、この日は絶対に家に来ないでね。」
「なんで?」
叶「葛葉とオフコラボだから。……行きたいって顔しても、来たとしても入れないからね。」
「ケチ。」
叶「は????」
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えある。 - 更新楽しみにしてます!神作ありがとうございます。 (2023年4月3日 7時) (レス) @page40 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
y - 続きが欲しい!!面白い!! (2023年3月30日 18時) (レス) @page36 id: b07f6cd4e6 (このIDを非表示/違反報告)
莉叶(プロフ) - 兄妹愛?が最高すぎて爆発しそうです (2023年3月28日 0時) (レス) @page11 id: dddba37a2f (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - は? のマジトーンw面白い。 (2023年3月22日 12時) (レス) @page18 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - おだんごさんしまいさん» 主じゃないし共感した報告ですが、、、15日前くらいに国語の授業でやったんですよ。確かにwはしょれメロスだw ナイスです、、、 (2023年3月22日 12時) (レス) @page17 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年3月18日 0時