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なんだか、さっきまでの気持ちが、
嘘みたいに消えて。
あれ、私って今、どこにいたっけ。
目の前には、ガラス張りのビルの部屋で、
あっここ、黒龍の拠点だ。
だから、そっか。
今までのは全部夢だったんだ。
視界に入ったのは、いつもの黒髪に、
見慣れた白の特服に。
だから、笑って駆け寄ったのなら、
顔を覗き込まれる。
だからね、九井くん。
「いぬいくん、まだかえってきてないの?」
そう問いかけると、
肩を揺らして、目をそらされるから、
あぁ、まだなんだって思って。
大寿くんにもお土産かわないと、
すーぐ拗ねるんだもん。
それに、柚葉ちゃんにも買って帰ろう。
最近家に帰ってないな、
お母さんたちに申し訳ないや。
だから、お兄ちゃんにも怒られるし。
ただえさえ過保護だからなぁ、家族。
あァ、似てるね、2人に。
いつもいつも、私の心配ばっか。
頭から血を流しても、死ぬの怖くなかったよ。
知らないけど、分からないけど、
2人が来る気がしたから。
そんな単純な理由で、
生きてきたから。
ここのいくんがないている、その理由がわからない。
目の前がどろっ、としてて、
黒い髪のここのいくんじゃなくて。
しろいかみの、ここのいくん。
かえちゃったんだね、かみのけ。
いまのきみもすきだけど、
むかしのきみのほうがすきだった。
あの頃にもどりたいな。
さんにんで、おかいものいったり、
ごはんたべにいったり、
わたしだけらちられて、たすけにきてくれたり。
ねぇ、ここのいくん。
いつからだろうねぇ。
「いつから、わたしたち、
まちがえちゃったんだろうねぇ。
あのころは、たのしかったし、
なにもかんがえずに、ばかやれてさぁ、
それでねぇ、なにがおきてもぉ、
わたし、いいやぁってしてたけど。
わたし、やっぱりねぇ、
ここのいくんと、いぬいくんと、
さんにんでいたいなぁ。
ずっと、ずぅっと、
さんこいちで、いきていたいなぁ。」
夢を見るんだ。
あの日、天竺に行かない選択肢ならば、
私たちは今も3人でいられたのだろうか。
きっと神様に問いかけても、
答えは教えてくれないけど。
それでも、よかった。
きっと、いないもん、神様なんて。
「あはっ♡」
________ ふたりぼっち、1人足りない?
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月兎(プロフ) - あぁもう涙…ほんと最高ですありがとうございます (2023年1月30日 6時) (レス) @page16 id: 720c1829f9 (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - 笑いあり、涙あり。最高すぎます🤦♀️更新楽しみに待ってますッッ! (2022年7月20日 21時) (レス) @page20 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
阿恵 - このお話の続きが見られて嬉しいです 更新頑張ってください (2021年9月16日 16時) (レス) id: f862afcdc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2021年9月15日 14時