検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:242,607 hit

Page4前編『誕生日』 ページ8

私は激怒した。

己に。

それは数日前のこと。

『そいえばAの誕生日今日だな。』

「えっ」

『なんだ太宰。部下の誕生日もしらねェのか。』

「煩いなァ今日の蛞蝓は。」

『あ”あ”??!!』


内心はどうにかなりそうだった。

そして中也がAちゃんに贈呈品(プレゼント)をあげて居た事。


焦りに焦った末、織田作に逢いにいつものBARへ脚を運ぶ。

「お、織田作...如何しよう....」

『なんだ。太宰が焦るなんて珍しい。』

瞳をふせて織田作は酒を飲む。

「Aの誕生日が今日なんだ!!」

午後九時。

普段通りの男と、取り乱す男。寡黙な客はちらちらと其れを伺う。

『普通に....ハンケチでも渡したらどうだ?』


「無難すぎるよ!!」


『はぁ...恋慕している女性の誕生日を忘れるとは....全く困った人だ...』

螺旋状の階段を降りてきたインテリ風な青年。坂口安吾が呆れながら云う。

「安吾...助けて呉れ...」


『誕生石なんかの装飾品でも贈呈したら如何です。』


「おお!安吾!実に良い案だ。で...五月の誕生石...は」

『エメラルド...だ。』


「織田作如何して知ってるの?!」

『俺だって其れくらいは知ってる。』

颯爽と店を出た。

そして以前から気に成っていた、秘密基地のように小さい宝石店へたどり着く。

初老の爺さんが煙草を吸いながら何かやっている。

怪しい店だがなんでも首領の行きつけの宝石店らしい。

急いで私はエメラルドの首飾りを買い、Aの処へ駆ける。

未だ勤務中だが、そんな事はいいだろう。

後編→←後編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (188 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
336人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜深 奏(プロフ) - うどんさん» そうですか… (2018年6月6日 7時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - どうやら最新作にURLが上書きされてしまったようです…何度もすみません… (2018年6月6日 6時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
桜深 奏(プロフ) - 問い合わせフォームにURLを教えて欲しいと言えば教えてくださる筈です! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
桜深 奏(プロフ) - 今見たのですが、ネットの方でも作品が見れないので、問い合わせフォームに行った方がいいかもしれません。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: 9f2d58895d (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - できませんどうしましょうえっと (2018年6月5日 23時) (レス) id: dfb4fe35b0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うどん | 作成日時:2018年5月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。