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61.雷 ページ21

A「雨降ってきたね。」

和南「天気予報では晴れだったのにね。」

倫毘沙「そこにいると雨に当たるよ。」


撮影の途中、雲行きが怪しくなってきてテントの下に行く。

雨止むのいつぐらいなんだろ?スマホで見てみよ。


ゴロゴロゴロ…


A「え、雷…。」

監督「こりゃ、しばらくテントで待機だなぁ。」


私は雷が苦手。音聞いただけでお腹が痛くなるレベルで。

どうしよ、「車待機したいです」なんて言えない。


千「監督、雷も鳴ってて危ないからロケバスで待機にしませんか?」

監督「そうだね。よし、ロケバスで待機するぞ!雷が近くになるまでに機材もトラックに積んで!」

スタッフ1「はい!」

千「A、大丈夫?」

A「は、はい。大丈夫です。」

千「今なら雷も近くないから行くよ。」

A「はい!」

菜花「ユキが先輩してて怖…バンに言わなきゃ。」

千「失礼すぎない?」


皆でロケバスに向かい、しばらく待機する。

ユキさんの判断は正しくて機材を運び終えた頃に雷が近くなった。


倫毘沙「雷苦手だったんだ。」

A「うん、蛇以上に無理…。」

和南「耳栓とかないから皆で話でもしようか。そしたら気が紛れるだろうし。」


菜花先輩は少しでも雷の光がわからないようにカーテンを閉めてくれて、恵美ちゃんは私の隣でずっとよしよししてくれていた。


環「授業中、雷鳴ったら耳塞いでるよな。」

菜花「授業は大丈夫なの?」

環「いおりんがノート写させてる。」

楽「和泉弟は何やかんやで甘いよな(汗)」


ドーンッ!!


A「ひっ…。」

恵美「大丈夫、車内なら安全だから。」

菜花「あ、ウォークマンとイヤホンあった。貸すから気になるならこれ使って。」

和南「雷がおさまったら教えるから。」

A「すみません、ありがとうございます。」


お言葉に甘えて菜花先輩のウォークマンを借りる。

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作者名:はくまい | 作成日時:2019年6月17日 13時

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