34.迎え ページ34
A「…。」
血は思ったほど止まらないし、少し冷えてきた。おまけに迷子。
私、どれだけ馬鹿なの…どうせなら可愛げある馬鹿になりたかったよ…。
？1「あ！Aちゃん！」
A「何で…」
遙日「A、怪我してる…。」
唯月「本当だ…。」
A「大神さん、パーカー汚しちゃってすみません…。」
万理「気にしなくて良いよ。」
気にしなくて良いとは言われたけど、借り物だからやっぱり気にしてしまう。
視線を落とすと、ナギくんが私の目線に合わせる。
ナギ「立てますか？」
A「多分大丈夫…っ！」
唯月「ほら、乗って。」
A「だめだよ、唯月に血が付く…。」
剛士「これで止血しとけ。」
ごうくんが首にかけてたタオルで怪我してる右膝を巻いてくれた。
龍広「北門か？A見つかったから戻る。」
天「テントに救急箱があるから、あとで手当するよ。」
A「このままで大丈夫です…。」
天「このままってわけにはいかないでしょ。」
A「…。」
楽先輩に会ったら不快に思わせるかもしれない。そういうわけにはいかない。
A「本当に大丈夫なので！」
唯月「A、何があったの？」
遙日「泣きそうになってる。」
A「何でもない！」
唯月「…A。」
唯月から降ろされて顔を見られる。真剣な顔で見るからまた泣きそうになる。
万理「Aちゃん、そこのベンチで話そうか。」
A「え？」
万理「三月くん達は先に戻ってて。俺達もすぐ戻るから。」
三月「は、はい！」
唯月達が行ってから、私は大神さんとベンチに座る。
万理「何かあった？ゆっくりで大丈夫だから、話してもらっても良いかな？」
A「…私が悪かったんです。前に楽先輩が話したいって言ってくれたのを嫌がったくせに、私が自分勝手に話したいって言ったから…。」
大神さんは私の話を聞きながら背中をさすってくれていた。
A「顔も見せんなって見事に言われちゃって…自業自得ですよね…っ」
万理「思いっきり泣いて大丈夫だよ。我慢しなくていい。」
A「…っ…！」
万理「大丈夫、八乙女くんもわかってくれるよ。」
その後思い切り泣いてすっきりして、大神さんと一緒にBプロの皆が待つ所へ戻った。
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作者名：はくまい | 作成日時：2019年5月24日 3時
