検索窓
今日:65 hit、昨日:66 hit、合計:1,110,954 hit

私の朝 ページ8

専属料理人の朝は早い。

一般食堂にいた頃は分担できていたけど、ここではひとりきり。
慣れない早起きに目を擦りながら厨房へ。

今日の朝食はひとらんさん希望の和食だ。
ここでは一人一人きちんと定食のようなスタイルで食事を出す。
一般棟は人数も多いし、訓練などで時間はバラバラ。だから朝はバイキング形式だった。
けれど幹部の皆さんは揃って食事を摂られるらしい。

さて、コネシマ様は鮭がお好きだと聞いた。
焼き鮭でも作ろうか。

鮭の切り身に塩を振ってグリルに。
昨日作っておいたきんぴらごぼうを小皿に分ける。
お味噌汁はワカメと豆腐。
あとは、と考えていると厨房の窓がコツンと音を立てた。

「ひとらんさん、おはようございます」
「おはよう、Aちゃん」

幹部棟の厨房は1階にあり、窓の外にはひとらんさんの畑が広がっている。

「あー味噌汁の匂い…さいっこう!」
「リクエスト頂いた通り具はワカメと豆腐ですよ」

「やった」と笑うひとらんさんに、復讐鬼の面影はない。
こんな柔和な笑顔な方が戦闘の時には鬼のようになるて未だに信じられない。

「あ、あとこれ」
「わぁ、卵!産みたてですか?」
「そう。本当は卵かけご飯したいけど、苦手なやつもいるから卵焼きにしてもらってもいい?」
「分かりました」

卵が入ったカゴを受け取り厨房へ戻る。
卵焼きか、皆さんの好みはまだ分からないし、甘いのとしょっぱいの両方作っておくか。

「使うだろ?」とマルコが持たせてくれた卵焼き器をコンロに置く。

「あーやっぱりええなぁ。女の子が料理しとるの」

ふわりと香るタバコの匂い。
振り返ると、次に窓の外にいたのは大先生だった。

私の朝2→←これが幹部様



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (946 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2731人がお気に入り
設定タグ:wrwrd
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

てんげつ そらら(プロフ) - キャラ設定がしっかりしていておもしろいし、メンバーの性格も掴めていてすらすら読めます!続き待ってます〜! (2020年4月5日 19時) (レス) id: 7a34e9cdfd (このIDを非表示/違反報告)
鷄ちゃん - とっても面白いです!オリキャラの設定もしっかりしていて、個人的にはヤンさんが一番好きです!更新頑張ってください! (2020年3月11日 22時) (レス) id: d0f1e8ba23 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも[watoさん大好き] - 友達の勧めで来ました!とても面白かったです! (2020年3月11日 22時) (レス) id: eebe54bd3c (このIDを非表示/違反報告)
きりたん - 大先生よ…(遠い目)面白いです更新頑張ってください! (2020年3月3日 21時) (レス) id: 3ddebd3c19 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - とても面白かったです!話のテンポが良くて読みやすかったし、オリキャラの皆さんもうまく溶け込んでいて、とても素敵な作品でした。特にspくんが本性を現し始めた時は、思わず笑ってしまいました!ww 更新楽しみにしています! (2020年3月3日 1時) (レス) id: 838f9d2c1e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らに | 作成日時:2020年2月17日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。