【d!】美味しいご飯の為ならば2

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「それがなぁ、体悪くしてもうてしばらくお店開けらん言われたんよ」
「しばらくって…」
「いつになるか分からんのよ」

しかし私でなくてももっと腕のいいパティシエはいるはず。
そう思って口を開こうとした瞬間、オスマン様の細く長い指が私の唇に触れた。

「もうAちゃんしか頼れへんねん。心配事のが多いかもしれんけど俺も協力するし、助っ人呼んでもええよ。やからお願い。作ってくれへん？」

サラリとオスマン様の髪が揺れる。
普段は見ることの出来ない濃い緑色の瞳に私が映っていた。

「……分かりました」
「ありがとうな」
「その代わり一般棟のナターシャに協力を要請する許可を頂きたいです」

助っ人と言われた時真っ先に浮かたんだのはナターシャだった。
口も悪いしドSの彼女だが、お菓子の腕はピカイチだ。

オスマン様は一瞬眉をしかめたあと、「ええよ。Aちゃんに任せるめう」とおっしゃってくれた。

初めての大仕事。
失敗は許されない。
既にキリキリと痛む胃を抑え、総統室を後にした。
直ぐにナターシャに伝えなければ。

文句の一つや二つ……いや、三つ四つ…もっと言われる覚悟を決め一般棟へ急ぐことにした。

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