【d!】美味しいご飯の為ならば2

. ページ37

「先程Ｓ国から観光客が来たそうだ」

夕食の最中グルッペン様が口を開いた。

「ほぉ、こっちまでは来てへんのやろ？」
「せやで、トントン。あー、一般棟におったな」
「おいロボロ、見てたのに報告無しか！」
「お前に言うたら処分してまうやろ、ゾム」

ナイフとフォークを置いたグルッペン様が私に視線を送る。
意味が分からず首を傾げると、「一般棟の厨房に侵入したそうだぞ」と言われた。

「え！？」

驚いて声を上げるとグルッペン様は可笑しそうにくつくつ笑った。

「その当時厨房にいたのはナターシャとジョゼフ」

その言葉に私は顔を青くさせた。

「観光客は無事ですか！！！！」
「あぁ、無事だとも。ちゃんと生かさず殺さずいい感じに嬲ってくれたようだ。こちらの尋問にも素直に応じている」

ナターシャさんドSだからな。
私は心の中で観光客に合掌した。

「実に優秀な者が多くて俺は嬉しい」
「いっつも一般棟で止められてこっちまでは来おへんやん！つまらん！」
「まぁ、そう拗ねるなゾム。ロボロ今度観光客が来たら泳がせてくれ」

グルッペン様の要望にロボロさんは「うーん」と唸った。

「無理やろな」

我が国は安泰です。



(ジョゼフ！消毒しといて)
(えぇー、なんでナターシャさんの靴まで？)
(なんか文句ある？)
(……ないっす)




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

オリキャラメインで申し訳ないです。
どうしても書きたかったんです…！！

桃の節句→←【閑話】ある観光客の記録

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す