【d!】美味しいご飯の為ならば2

視線3 ページ22

shpside

「……っ！！…！！！」

なんや、あれ。
可愛すぎか。
思わず顔に出てしまいそうになって顔面を覆ってしゃがみ込んだ。

指の隙間からちらりと覗くと、窓の向こうで困惑したようにAさんは俺とゾムさんを見比べている。

自分の性癖は理解してるつもりやったけど、

「…どストライク………」

あかん、無理や。

俺はすくっと立ち上がり厨房へ歩き出した。


＊


「え！ちょっと、ゾムさん！ショッピ様座り込んじゃいましたよ！大丈夫ですかね？」
「あー大丈夫大丈夫」
「いや、あれあかんくない？」

ロボロさんが言ったと同時に厨房のドアが開いた。

「お！ショッピくーん！見た見た？どうやった？」

ニヤニヤしたゾムさんがショッピ様に近寄るもそれを無視してズンズンとこちらに向かってくる。

「ロボロさん！ショッピ様お怒りになってますよ！」
「いや、絶対大丈夫やから……って、ちょっと腕掴まんといて！」

真顔で近付いてくるショッピ様が怖くて、ロボロさんの腕に縋り付く。

「Aさん」
「ひっ…は、はいぃ！」

ゾムさんが変なことするから！
これ絶対怒られる！

ショッピ様はなかなか辛辣だと聞く。
次に出てくる言葉に怯えていると、真っ直ぐな目でこう言われた。

「お兄ちゃんって呼んでください」
「………………………………は？」



(え、今この人なんて言った？)

視線4→←視線2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す