似たもの同士【芥川龍之介】 ページ21
〇
僕君と中也さんは当分、お腹いっぱいですね……(笑)
今回は月華様にリクエスト頂きました！
大変長らくお待たせいたしましたm(__)m
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「芥川先輩ッ！お疲れ様です」
任務を終えた芥川は、樋口の待つ車へと戻ってきた。
血濡れた黒外套を纏い、月下に佇むその姿はまさに死神。
死神は口を開かず、光が射す事のない真っ黒な瞳で、樋口に一瞥だけをくれた。
「行き先は本部、で大丈夫ですか？」
「あァ、構わん」
刹那、ピリリと機械音が鳴り響く。
即座に殺気立ったが、音源の正体は芥川の携帯だった。
液晶画面には『銀』と妹の名が表示されており、芥川は直ぐに通話釦を押す。
「＿＿＿＿僕だ。どうした」
『兄さん、任務終わった？』
切羽詰まった妹の声に、芥川は無意識に息を吞む。
暗殺者の銀ですら太刀打ちできない輩が襲撃してきた、とか。
「あァ。先程終えたが、何かあったのか」
『……Aさんが、倒れた』
「ッ…！！今何処だッ」
『私と一緒に家に。薬を飲んで、今は落ち着いて眠ってる』
「直ぐに戻る」
相手の返答を待たずに電話を切り、外套を翻す。
そして、車の停まっている場所とは逆方向に足を向けた。
「あ、芥川先輩ッ！？」
「今日はこのまま解散する」
戸惑いの声を上げる樋口に見向きもせず、芥川は足早に現場を後にした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿……
「おかえりなさい、兄さん」
解錠して扉を開ければ、髪を下した銀が出迎えていた。
「Aは？」
「まだ眠ってる」
そう云って銀は兄の背を押し、ある部屋へ入れようとする。
妹の行動で、直ぐに芥川は嫌そうな顔をした。
「……何故風呂へ押し込もうとする」
「血だらけのまま会いに行ったら、Aさんが驚く」
「………」
Aに弱い芥川は渋々為されるがままに、浴室へと押し込まれた。
銀に監視されている事をドア越しに感じながら、外套を脱ぎ、洗濯籠へと放り入れる。
……実妹に信用されていないという事実に少し悲しくなった、と芥川はシャツの釦を外しつつ心中で吐露した。
〇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです！リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします！ (2021年10月22日 18時) (
レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします！ (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル | 作成日時：2021年2月22日 21時
