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少しの沈黙の後。
骨ばった冷たい手が私を抱きしめ、頭を撫でた。
「もう気にしていない。……僕こそすまなかった」
顔を上げれば、彼の異能である羅生門も、申し訳なさそうにしょんぼりしていた。
「……じゃあ、おあいこだね」
笑顔を向けて見せれば、優しく頬を撫でられる。
月に照らされた彼の黒髪は艶やかで、髪先の白はキラキラと輝いていた。
「……昨日言い忘れていた。____Aは頑張っている。
多くの書物を何度も読み直していた事も、夜更けまで必死に問題集を解いていた事も。僕は全部知っている」
気づいたら涙が溢れていた。
忘れた頃にようやく流れ出た雫が、次々と頬を伝う。
「…私、頑張ってたかな」
「僕が保証する」
潤んで歪んだ視界の中で、彼が薄く微笑んでいるのが見えた。
謎の笑いが込み上げてきて、んふふと笑いを零してしまう。
「___まだ頑張れるかな、私」
この問いには答えず、彼の顔が私の頬に寄る。
ちゅッ、と時折音をたて、龍が頬についた涙を舐めとった。
此処で下手に答えて私の負担にならないように、敢えて答えないでいてくれるのが有り難かった。
「龍。終わったらまた、抱きしめてくれる?」
「……了解した」
耳が赤くなっているのを指摘すれば、「黙れ」と私をさらに抱き寄せた。
黒外套に包まれる中、私はまだ頑張ってみよう、と思った。
Fin.
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実はこのお話、作者の実話を織り込んであります(笑)
母親の言葉もそのまま、夢主の感情もその時の作者が思った事です。。。
まぁ妥協に妥協を重ねた結果、私立大学に進んだので……もう何でも良くなったんです(笑)
はい、如何でしたでしょうか?
訂正箇所がありましたら、コメントお願いします!
改めまして、ゆでたま様 リクエストありがとうございました(^^♪
大変長らくお待たせいたしましたm(__)m
そして、受験お疲れさまでした!
新たな道を進むにしても、もう一年頑張るにしても。心から応援しております!
一緒に頑張りましょう(^^♪
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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです!リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします! (2021年10月22日 18時) (レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします! (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2021年2月22日 21時