痛い。* ページ10
後半戦、ほとんど円堂くんにシュートの嵐が集中した。
「アストロブレイク」
レーゼと呼ばれた宇宙人が何度目かのその技を放てば、円堂くんは気を失ってしまった。皆で円堂くんの元へ駆け寄っていく。
秋達に遅れて、駆けよれば一瞬。腕を引かれて振り向く。
「……れ、」
「すぐに遠くへ逃げるんだ。今すぐに」
「…ど、ういう…っ？！」
レーゼは悲しそうに笑って、他の宇宙人の元まで下がれば紫色の光に包まれて消えていった。
遠くへ……逃げる？どういうこと？
なんでエイリア学園が私にそんなことを？
.
公園まで戻り、途中で目を覚ました円堂くんの手当を。
外に集まり瞳子監督の指示に納得が行かないことを皆で話し合う。
1人、木に寄りかかる修也くんの傍で、心配そうに顔を覗きこめば浮かない修也くんと目が合う。
いつもなら、笑ってくれるのに。
「ねぇ、修也くん…わたし、」
「それは違う！！」
遮ったような円堂くんの言葉にびっくりした。染岡くんの言葉を否定してたようだった。
瞳子監督の指示が円堂くんを特訓して、尚且つ皆を守る為の作戦だったことを円堂くんと鬼道さんが認めた。
誰が見てもそんな事は明白だったのに、皆は宇宙人との試合に気を取られて瞳子監督の作戦が信じられないんだろう。
「あ、瞳子監督」
戻ってきた瞳子監督はちらりと皆を見てから、修也くんと私の方を見た。
「豪炎寺くん、貴方にはチームを離れてもらいます」
「え、」
「い、今何て言ったでやんすか？監督…離れろとか何とか」
皆が困惑する中、何かを察したように目を見開いた修也くん。
皆に背中を向けた修也くんを、思わず引き止めて。
「ちょっと待てよ豪炎寺！」
円堂くんも引き止める。
「どういう事ですか監督。豪炎寺に出ていけなんて」
「そうですよ。豪炎寺は雷門のエースストライカー。豪炎寺がいなきゃあいつらには」
皆の言葉を背に、修也くんは林の中へ。
瞳子監督も、地上最強のイレブンに豪炎寺くんは必要ないと言い捨てる。
「修也くん、」
修也くんを追いかけて歩き出せば、壊れた像の広場に出た。階段を降りようとした修也くんの腕を掴んで名前を呼べば、やっと目が合った。
「いか、ないで…」
「…っ泣くな」
溢れ出した涙を修也くんはジャージの袖で拭いてくれる。痛い。
「なんで修也くんが離れないといけないの？嫌だよ、私も一緒に行く」
「それはダメだ」
「なんで！」
黙れと言わんばかりに涙を拭われる。だから痛いって。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
