二度と戻れない。 ページ36
流星ブレードを打ったグラン……、だ、だめ……！
思わず、ベンチから立ち上がって。
「うああああああ！！！！」
「円堂くん！！」
錯乱している吹雪さんと、一緒に流星ブレードに飛び込んで。
このままじゃ、吹雪さんに当たる。
でも、私の技じゃ流星ブレードは止められない。
一瞬、何がどう起きたかわからないけど
確かに、流星ブレードが体にぶつかった衝撃を感じて。
「吹雪さん！！」
「吹雪！！」
「A！おい！A！」
「なあ、なんでこの宇宙人飛び込んで来たんや？」
みんなの声が、何とか拾える。まだ、意識はある……。
「ぅ……っ、」
何とか体を起こせば、皆が周りを囲んでいた。
円堂くんは……、ゴールの方を見れば円堂くんは無事だということがわかって。吹雪さんは少し離れたところで横たわってた……。
「よか、た……」
円堂くんは無事だ。安心すれば、力が抜けて。
「おっと、Aは無茶するね……」
「おいグラン行こうぜ」
「こんなやつ、ウォーミングアップにもならねえ」
グランに抱えられ、遠のいていく意識の中で、円堂くんに手を伸ばして、
かえりたい。
そう思ったんだ。
もう、こんな辛いのは嫌だ。
君に、会いたいよ……。
「た、す……て、」
誰にも届かないくらい、小さな……声で振り絞っても
吹雪さんを心配する声にかき消されて。
.
思い返せば、いつも大事な時に私は倒れてばかりで。
簡単にエイリア学園に戻ってきてしまって。
自分の意思で、エイリア学園に戻ったつもりだったのに
お父様の言葉に本能的に従って、嵌められて。
目を覚ませば、薄い桃色の桜を散らした寝巻きを着ていた。
ここジェネシスのユニフォーム着てたら吐き気で気が狂うところだった。
布団から起き上がり、ドアノブを回して外へ出れば……
お父様が居た。
「おや、お目覚めかな。随分と長く睡眠をとるんですねえ。いい事ですよ……大きくなるためには」
「お父様……」
イプシロンを制したあの日、私はお父様に呼び出されて。
この部屋で、言われたんだ……。
「あの日……お父様は言いましたね」
「…」
「足掻くだけ無駄だと。ジェネシスになるのはガイアだと決まっているって……私達……っプロミネンスも、ダイヤモンドダストも……ジェミニストームの皆、……」
「ええ、全てはジェネシスの為」
手をぎゅっと、握りしめて。
伸びた爪が、肉を割いて、血があふれる。
「この……悪魔っ……！」
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
