協力者。 ページ30
幸い、ご飯は毎日貰えた。
ご飯を運んでくれてたのはかつての仲間、プロミネンスのヒート。
扉が開かれれば、びっくりした表情のヒートが立ち尽くした。
「待ってたよ、ヒート」
「……だいぶ混乱が落ち着いたみたいだな」
テーブルの上に、スープとパン、紙パックを乗せた食器を置いたヒートは優しく笑ってくれた。
「うん、バーン様が匿ってくれてたおかげでね」
ヒートの肩が揺れた。
やっぱり、この現状を作ったのはバーンだ。
「お父様の命令で私を連れ戻したんでしょう？でも、バーンは許さなかった」
「そもそも、Aを外へ逃がしたのはバーンだからな」
そこまでは思い出せた？と椅子へ腰掛けたヒートは答え合わせを手伝ってくれる。
膝を抱えれば、少し自信はないけどと視線を逸らせば仕方ないと、認めてくれた。ああ、やっぱり。
あんなに、ぼろぼろにして、捨てて。
私に対してあんなに当たり散らすのは、のこのこここへ帰ってきた私への怒りだっんだな。
相変わらず、バーンは詰めが甘い。優しい。
「幾つか記憶が完全じゃないの、意図的に消されてる気がする」
身を乗り出して、ヒートを見詰めれば少し考える。
プロミネンスの頭脳、ヒート。
ヒートなら。きっと。
「バーンと私が対立したあの日の事を教えて」
「俺が知っているのは、あの日……デザームと試合をした後のことだけだ。バーンが怒って、君を傷付けたという事実」
「充分！お願い、聞かせて」
ため息をついて、椅子に深く凭れかかったヒートは教えてくれた。
あの日、私の身に起きた出来事。
.
「お願い！晴矢。私、あの子達の仇をうちたいの！だから協力してっ！｣
「はあ？なんで？んなの、弱いアイツらが悪いんだろうが。お前もあんな奴ら構ってないでとっとと行くぞ｣
まだ、晴矢と呼ぶことを許されてたあの時。
イプシロンに単身で挑み、私は空を制してイプシロンを崩した。
それが、許されなかったんだ。
お父様の耳に入り、単身でイプシロンを制圧した私はお父様に呼び出されて、あの日……あの部屋で何かが私の身に起きた。
そうして、気が付けば私はイプシロンに負けていて
バーンはお父様にきつく、叱り付けられた。
「Aは確かに追放という形で、プロミネンスから引き離されるところだったんだ。それをバーンが謹慎処分で話をつけた」
「イプシロンに負けた恥晒しとして、バーンに私は……」
「Aを守る為だったんだ」
結果として、私は誰も守れなかったけど。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
