思い出せ。 ページ29
ベッドしかない部屋に閉じ込められて数日が経った。
エイリア石に触れたあの日、思い出した記憶は
エイリア学園で感じた苦痛と憎悪と嫌悪の毎日だった。
毎日、復讐のためにボールを蹴り続けて。
皆の笑顔を奪ったサッカーが憎くて、レーゼの為だと、単身でイプシロンに挑んだことは覚えている。
そう、単身で挑んで……イプシロンを叩きのめした。
問題はその後だった、もうこんな事は辞めるようにお父様に直談判しにいって、それから……？
思い出せない。
ただ、お父様の部屋で何かがあった後、私はバーンに謹慎という名の罰を与えられた。
「だいぶ記憶も戻ってきたのかな……」
頭を抑えて横になれば、不完全だけれどエイリア学園が出来てからの皆との記憶が構築されていく。
瞳子監督が私を雷門へ留めておきたかった最大の理由、それは
私がエイリア学園に戻れば2TOPで最強だったプロミネンスが完成する。
プロミネンスの完全復活が意味することは、硬直関係にあったダイヤモンドダストとガイヤの三竦みが動き出す。
私は、1人だと無力でなんの実力もないけど、
空を高く跳び続けるバーンがいるなら最強だった。
「まあ、瞳子監督の誤算は私がプロミネンスから爪弾きされてるのを知らないことかな」
ベッドの上を転がれば、何もすることがなくて。
というか、まさか部屋に隔離されるとは思ってなかった。
よいしょっと体を起こして、もう一度考える。
あんなに恐怖して、逃げ出したエイリア学園に私が戻らないとならなかっ
た理由。
グランが、私を連れ戻したかった理由。
辛くて、苦しくて、練習と呼ぶには体罰にも思えた地獄の日々。
グランのことも、ガゼルのことも、バーンのことも…ウルビダも、クララもバーラも、アイシーもアイキューも。うん、全員では無いけど一通り名前は覚えてる、顔も覚えてる。
大嫌いだと吐き捨てた皆のことを、記憶が妨げても大事な仲間だってことを覚えてる。
なら、私が逃げ出したのは、私が憎悪して、嫌悪して、畏怖したのは……エイリア学園じゃなくて。
お父様だ。
「デザームと、話さないと」
あの日、私のこの記憶が正しいなら、イプシロンを制したのは私だ。
なのにバーンの記憶でも、グランも、私はイプシロンに負けたことになっていた。
そうして、バーンに罰を与えられたなら、私は……思い出さないといけない。
あの日、本当は何があったのか。
「協力してもらわないと」
あの人達なら、力を貸してくれる。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
