吹雪士郎。 ページ16
白恋中に、着けば開いていた教室へ案内してもらい吹雪士郎さんが来るまで待たせてもらう。
ストーブの前を陣取りご好意で貰ったタオルに包まれれば、あんまりにもぬくぬくで、簡単に眠ってしまった。
.
「起きて、Aちゃん」
「んに…んん?あき?」
瞼を擦れば暖かそうなコートを着た秋。あったかそう。
「外へ案内してくれるそうよ、いこう」
体を伸ばしてから、タオルを畳んで。コートに袖を通して歩き出せば何故かさっきキャラバンに乗ってきた男の子が隣を歩く。
目が合えばにこにこと微笑んでくれる。
思わず素で反応を出来ずに、1歩下がって歩き出せば瞳子監督とぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
「気を付けて歩きなさい」
不意に、大きな音がして沢山の雪が雪崩てきて。
目の前で突然、男の子が体を縮こませて震え上がる。
「なんだ、屋根の雪か…」
大丈夫だよ、と声をかけられた吹雪くんと呼ばれたその人は雷門さんの情けないの一言を笑って誤魔化して。
皆で雪合戦を始める中、鎌倉を作って話し合いをする瞳子監督達。
雪だるまを作る壁山くんと目金くん。
うーん。寝ちゃダメなのかなあ、のっそりと腰を下ろして小さく雪を集めていく。
まあるくして、少しつんつんへあになるように髪の毛を作って。
木の実なんてないので、目になる部分を人差し指で押し込んで。
弧を描くように笑わせてあげれば、
「んわ、似てないなあ」
目が熱くなるし、鼻は痛いのに。
涙が出てこないんだなあ、これが。意外と私は修也くんが居なくても、そんなに、泣けちゃうくらい寂しいとか無いんだな。
「薄情な私」
両手で救いあげて、立ち上がれば、遠くから「試合するよー!」という秋の声に振り向いて
雪の塊を落とした。
「え?私は出なくていいの?」
「ええ」
瞳子監督に突然割って入られてびっくり。心臓ひゅってしたよ。
それなら、とベンチへ座りこめば皆立ったまま試合を観戦し始めた。というか、吹雪さんのプレーに見入っていた。
DF陣にいた吹雪さんにふざけやがってと、ベンチにいても聞こえるくらいの暴言をぶちかます染岡くん。
それから、簡単に染岡くんのシュートを止めて、まるで人が変わったように攻め上がってきた吹雪さんに皆のどよめきと、円堂くんの歓喜の声。
ゴットハンドでは吹雪さんのシュートは止められなくて。
壁山くんと塔子さんの連携技で、ゴールへの軌道がズレた。
ぼうっと、試合を見守れば世界から切り離されたように音がずれていく。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時:2022年8月14日 14時