自主練。* ページ13
質問の意味がわからず、周りを見れば皆の姿は無くて。
よく分からないけど、とシートベルトを外して外へ出ればやっぱり山。
長閑。
「ほら、自主練しないなら手伝いなさい」
「いこう、Aちゃん」
秋に手を引かれて、雷門さんへ続けばキャラバンからキッチンが出てきた。わぁお。
ご飯を作るのね。
飯盒を取り出して、お米を仕込みに入る。
初めてお米を洗う雷門さんをみんなで見守りながら、お米を洗って、目金くんに火の番を頼みながら。
皆で大量のおにぎりを握った。
「Aちゃん、大丈夫？」
「うん？何が？」
秋と並んでおにぎりを握っていれば、心配そうな秋が顔を覗き込んできて。どちらかといえば心配なのはお米まみれの雷門さん何だけど。
「豪炎寺くんのこと…」
「大丈夫だよ」
笑えば、そっかと優しく笑い返してくれる秋。
大丈夫。
むしろ、常に隣に染岡くんの気配を感じる事の方が苦痛に感じる。
染岡くんが嫌いとか、苦手とかそういう事じゃなくて。
修也くんじゃない、その事実だけがそこにある。
「Aさん、私にはいつも通りに見えますが違うんでしょうか？」
「そうね、あの子いつもぽけっとしてるし」
「うーん…何だか1年生の時のAちゃんを見てるようで。それにね、Aちゃんの笑顔…何だか辛そうで」
手に着いた、残りの米粒を摘み食いをしていれば視線が。
振り向けば3人がこちらを見てて。え、行儀悪かったかな。
すっと、両手を隠せば顔を見合せた3人は笑いだした。
なんだ、なんだ。
おにぎりが出来たことを知れば、皆は手を洗って飛んできて。
我先にとおにぎりを頬張っていく。
当然そこに、修也くんの姿は無くて。
わかっている、
わかっているのに、姿を探してしまって。
不意に、監督はどこかと声が上がれば丁度瞳子監督が。
「皆、自主トレで汗かいたでしょう。近くにお風呂があるから入ってらっしゃい」
「おお！！！」
お風呂があることに歓喜した皆は大喜びで。
男女別の脱衣所。塔子さんは迷わず男子側の扉を開けに行って……え、あの。秋。雷門さん見えてま…せんね。
「円堂一緒に入ろう！」
「うをぁあぁぁあああ？！？」
直ぐに回収された塔子さんはいじけたように水着を着て、
秋も皆ちょっと頬を染めて呆れ顔。
温泉に、水着なんて。
「あれ、Aちゃんは浸からなくていいの？」
「うん。今は足だけでいいや、最後に軽く浸かるよ」
「そう？ふふ、温泉暖かくて気持ちいいね」
皆で微笑んだ。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
