初戦。 ページ7
それから、授業と練習を終えれば部室で響木さんが明日に備えるように、と。制服に着替える皆を待つ間木野さんと話をする。
「足りないものは後何かある?」
「スポーツドリンクの粉末がもうないかなあ、あとはテーピング?」
「あとスプレーも無かったよね」
さらさらとメモ帳に書き出していれば、不意に影が刺し見上げる。修也くんがメモ帳を覗き込んでいた。これから買い物に行くんだ、と言えばもう日が暮れるのにか?と。
木野さんと目を見合わせて、大丈夫よ。と笑いあった。
「修也くんは明日試合なんだから真っ直ぐ帰ってゆっくり休んでね。朝のお迎えも要らないよ」
「…ん、分かった」
じゃ、と手を振ると部室からでてきた円堂くんにもまた明日ねと声をかける。元気いっぱいな円堂くんはそのまま風丸くんに体当たりしては大きな声で笑いながら帰って行った。
「皆も帰ったことだし、そろそろ行こっか」
「うん!」
商店街で予算通りに応急処置セットを買っては、途中まで一緒に帰る。
「Aさんが気付いてくれて助かった。ありがとう」
「ううん。理事長早く良くなるといいね」
「うん…」
じゃあ、私こっち。と別れ道で木野さんが笑った。
「明日、いっぱい頑張ろうね」
「うん!頑張ろうね!」
ぱちぱちと、音ともに街灯が付き始める。いつの間にか暗くなって。急ぎ足で家まで真っ直ぐに帰る。
家の明かりが見える頃には鼻先に美味しい匂いが届いた。
.
「行ってきます!」
ジャージのチャックを上まで閉めて、玄関を出れば修也くんがいた。
迎えはいらないって言ったのに。
「どれくらい待った?」
「今着いたところだ」
「ほんとに〜?」
並んで歩き出しては少し駆け足で学校へ向かう。大会初戦に、修也くんも落ち着かないんだろうな。緊張してる?と聞けばそれなり、と。
学校へ付けばまだ全員は集まっていなくて。
木野さんの所へ駆け寄り持っていくものの準備を手伝う。音無さんも部室から出てきて念入りに確認作業を行う。
響木さんもやってきて、全員揃えばいよいよ、FF会場へ向かった。
「私ちょっと行ってくるね」
「ん!私も行くよ」
「わかりました!お気を付けて!」
音無さんによろしくと声をかけて控え室を出る。
木野さんはマネージャーとして確認の作業を頼まれていて、私は自販機を探してミネラルウォーターを買って…トイレへ急いだ。
帝国学園は大丈夫だったのに、FF会場はどうにも、頭痛を引き起こしてしまう。サッカーへの拒否反応なのかな…。
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作者名:楸 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時:2022年8月3日 21時