自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ5)

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風丸くん。ページ5

風丸くんが戻るまで修也くんと慣らし運動。
取って取られて、を繰り返しいると、円堂くんが風丸くんが遅いことを口に。近くにいた栗松くんが様子を見てくると駆け出していったものの中々戻らない。

「やっぱ告白か」
「そういう雰囲気ではなかったろ」
「あ！ずるい！」

立ち止まって円堂くんを見ている間にボールを取られた。
しばらくすると栗松くんと一緒に戻ってきた風丸くん。

「あの1年に何を言われた」
「大したことじゃないさ」

風丸くんと入れ替わりでベンチへ戻ると木野さんがタオルをくれた。響木さんの指示で炎の風見鶏を練習し始めた。
完成されたフォームに見えたのに、ゴールを目指して羽ばたいたのに、大きくゴールから逸れてしまった。

それから何度打っても決まらない。

「再開する前は10本中10本入ってたのに」

染岡くんがそう言葉を零した。
心配になり2人に駆け寄っていくと、修也くんが風丸くんに話しかけていた。

「意外とわかりやすい奴なんだな」
「何が」
「陸上部に戻ってきてくれとでも言われたんじゃないか」

えっ。思わず風丸くんを凝視した。待って。
修也くんは何をどうしたらその結論に至ったのか教えて。肩を押されてベンチへ戻る。なんだ。

「ねえ、木野さん。風丸くんと陸上部って何か関係あるの？」
「あれ、Aさん知らなかった？風丸くん元々陸上部に居たのよ。帝国学園との練習試合の時に助っ人で入ってくれたの」

スコアを付けてた木野さんは、風丸くんって本当に足が早いよねと嬉しそうに笑う。
修也くんは風丸くんが助っ人で入ってたこと知ってたんだ。それで、確信してたんだ。

「修也くんって色んなこと考え過ぎていつか禿げたりしないかな」
「…へ？」
「ぷっ…はははっ！！Aさん何を急に！」

豆鉄砲を食らったみたいな木野さんと流れ弾がツボに入った音無さん。
こちとら真剣じゃい。

帰り道、修也くんと特に話すことも無く無言で歩く。

「あ」
「ん？」
「修也くんっていつか禿げちゃう？」
「…は？」
「あっでも、豪炎寺先生は特に禿げてないか」

じゃあ大丈夫だね！とちょっとスッキリしてるんるんで歩き出した。
不思議そうな修也くんをちらっと見ては、早く帰らないのと急かす。
明日も朝練早いんだろうし、と付け足せばビックリしたように見つめられた。

「お前、朝練あるの知ってたのか」
「え、うん」
「来ないから知らないとばかり思ってた」
「失礼な。起きれないだけだよ」
「起きる努力をしろ」