自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ38)

今日:14 hit、昨日:85 hit、合計:14,081 hit

鉄塔広場。ページ38

鉄塔広場へ行く途中で、一之瀬さんにあった。

「あれ、デート？」
「ううん。今から鉄塔広場へ行くの」
「デート？」

一之瀬さん意外としつこいね。

「円堂の様子を見てくるんだ」
「一緒に来る？」

繋いでた手を離して、3人で並んで歩く。

「へー、じゃあ2人は病院で知り合ったんだ」
「そう言えば他の人にはあんま話してなかったね」
「聞かれなかったしな」

一之瀬さんから、2人は幼馴染？と聞かれて経緯を話せばなんか1人納得したように頷いてる。運命だね〜とか聞こえたような気がしたけど。

「一之瀬さんは木野さんとは幼馴染なんだよね」
「そうそう。って、気になってたんだけど。一之瀬でいいよ？」
「うわ、ぐいぐい来る」
「まだ慣れてなかったの？」

さすが帰国子女。距離感の詰め方がアメリカだ。

「秋も苗字じゃなくて名前で呼んだ方が喜ぶよ」
「え、馴れ馴れしくない？大丈夫？」

ちょっと怪訝そうに一之瀬さんを見ればお腹を抱えて笑われる。
おいこら、こちとら真剣じゃい。

「秋だよ？喜ぶって！ていうか、君だけ苗字じゃん。絶対名前で呼び合いたいって」
「そうかな……修也くんはどう思う？」
「俺に聞くな」
「ちぇ。今度会った時聞いてみるね、えと……一之瀬……くん」
「わはっ！まあいいけどね。あ！鬼道！鬼道も円堂を見に？」

鉄塔広場へ続く整備された道、見慣れた後ろ姿を見つけて走っていく一之瀬くん。

「一之瀬、くん、よく鬼道さんってわかったなあ」
「一之瀬より鬼道が先に雷門に来たのに、先に距離詰められたな」
「確かに…。というか、鬼道さんてほら、なんかどうしても……苦手で」
「何か言ったか」
「ひえ。こういう地獄耳ぽい所とか」

不機嫌そうな鬼道さんを、一之瀬くんはけらけら笑いながら背中を叩いてた。や、帰国子女凄い。

「Aはいつまで俺に怯えるつもりだ」

いつの間にか並んで歩いてた鬼道さんにそう聞かれ、修也くんをちらりと訳もなく見ては、しどろもどろに答える。

「その、何考えてるかわかんないようなところが怖くて」
「ぷはははっ」
「一之瀬！」

笑いだした一之瀬くんに腹を立てたような鬼道さん。

「だいたいな、お前だって何考えてるかわからないぞ。というか、表情が読めないのは豪炎寺も変わらないだろう」
「修也くんはめちゃくちゃ目で語ってきます」
「Aはかなり分かりやすいが」
「〜っぷ！！はははっ！！最高じゃん！！」
「一之瀬！！というかお前らは周りともっとコミュニケーションを取れ」