自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ30)

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手に汗。ページ30

「やったー！」

トライペガサスが決まり、同点に、木野さんと音無さんが手を繋いで喜ぶのを見て雷門さんと一緒に安堵の一息を着く。

「前々から思ってたのだけれど、サッカーの事詳しいわよね。円堂くんから聞いたけどとても強いって言ってたし」

雷門さんに言われ、前半のホイッスルが鳴り響く中…。

「今の皆には敵わないよ」

そう言い、スコアブックを置いて戻ってくるみんなの為に木野さん達と一緒にタオルとドリンクをケースから出して渡していく。

みんな、真剣に後半戦のことを考えていく。まだ出されていないトライアングルZ…あの日、河川敷で円堂くんが止められなかった技。

「大丈夫さ！どんなシュートだろうと俺が必ず止めてみせる！」

円堂くんの言葉に木野さんと頷きあった。ホイッスルがなり、皆からドリンクを受け取る。暗い表情の修也くんに手を差し伸ばす。

とん、と手に修也くんの手が置かれた…。

「あ…や。違う。ボトル……」
「…あ、すまん」

ドリンクを受け取り、グランドへ急いでいく修也くん。

「豪炎寺くん、何か考え事かしら」
「たぶん、試合に集中はしてるから気にしなくても大丈夫だと思うんだけど……」

椅子に腰をかけてちらり、と修也くんを見れば雷門さんが小さくため息をついて。なら、貴方を見て気が抜けたのねと言われる。

解せぬ。

ホイッスルと共に、三兄弟が駆け上がっていく。
トライアングルZがゴールへ突き刺さる…、ゴットハンドが破られた。

手に、力が篭もる。

「ゴットハンドが破られるなんて…」
「監督、どうしたらいいんですか？」

木野さんと音無さんが不安そうにしていると、雷門さんが今はみんなを、円堂くんを信じましょうと言ってくれた。
鬼道さんのブロックから円堂くんへボールが渡る、そのままトライペガサスの構えでフィールドを駆け上がっていく。

「スピニングカット！」

あの人…確か、この間木野さん達と知り合いだった。
トライペガサスの3人だったんだ……それなら、防がれてしまうのは仕方ない、でもそれだと決定打が封じられてしまう。

「あれ、修也くんは…？」
「あ、守備に下がって……るわね」

修也くんも結構、下がる時ありますよね。わかります。
そのまま三兄弟へのパスをカットしフィールドを駆け上がる。

「染岡！」

修也くんに名前を呼ばれ、染岡くんも一気に上がる。
ドラゴントルネードを打てば、タフネスブロックという技で跳ね返されてしまった。
そのボールを逃さない修也くんは構え。