自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ17)

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人見知り。ページ17

それから。

月曜日がやってきた、朝から目が覚めた私は慣れた通学路を歩く。皆は朝練中らしいけど起きなかった私は他の生徒に混じって登校する。

修也くん達が来るよりも先に教室へ行き、席に着いて鞄に忍ばせていた小説を取り出しては読み耽る。
朝練終わりの皆が着て代わる代わる挨拶をしていく。

「Aさん、おはよう」
「…あ、木野さん。おはよう」

今日は朝から会えて嬉しいと喜ぶ木野さんを見て私も嬉しい。
円堂くんの大きな声と共に、修也くんと半田くんがやってきた。ばっちり、3人と目が合う。円堂くんが駆け寄ってきて、珍しいなと笑う。

半田くんも一緒に来て、おはようと笑いかけてくれるので素っ気なくおはよ、と返せば放課後の話を始める。

「おはよ」

修也くんとぱちっと目が合う。
すっと目を逸らして挨拶を無視させてもらって。半田くんが慌てて豪炎寺が挨拶してるだろ〜！と肩を揺さぶる。

「…おはようございます、豪炎寺さん」

にこやかに笑えば、眉間にシワが寄っていくのがありありとわかった。
子供っぽいなんてわかっている。百も承知だ。

それでも。

「何だ、喧嘩でもしたのか？」
「喧嘩するほどのことは何もないよ。ほら、ホームルーム始まるよ」

席につき始めた皆を見送り、立ち塞がったままの修也くんをちらりと見てから、席に着いたらどうですか。と言えば小さく返事が返ってきた。

休み時間の度に話しかけようとする修也くんから逃げ続けて。
昼休み。
屋上で涼んでいると、足音ともにゴーグルが視界に入った。

マントつけてないと違和感あるなぁ、なんて思って見つめていると「立ち入り禁止じゃないのか」と言われて。
ぷいっとゴーグルさんを無視させてもらい、砂埃を払い落として屋上から出ようとした。

「何があったか知らないが、豪炎寺の事許してもらえないか」
「貴方…偉いんですか？」
「…は？」

ゴーグルを付けていても表情が陰ったのがよくわかった。
でも、どう考えたっておかしいのはゴーグルさんの方なんだ。

「ゴーグルさんは私の名前知ってるんですか？ちなみに私は貴方のこと知りません」
「千羽山中との試合の時…居たよな、会ったはずだが」

思わずため息が出てしまった。
これ以上話すこともない、そう思い早々に屋上から立ち去れば円堂くんがそこに居た。

「ごめん、A。すっかり紹介するのが遅くなったな」
「…円堂くん」

警戒しなくたって、良い奴何だと円堂くんがいつものように笑っていた。