第五十一訓 ページ7
「しまっておいた君のカルテ等の配置が違っていることに気付き、監視カメラや監察を忍ばせたところ、蒲生がお前のカルテ等を盗み見ていたことが判明した」
クロだと判断した近藤さん達は、勘づかれないよう蒲生に山崎を接触させた。
そして先日、遂に任意同行しようとした時だった。
「天海が現れたんだ。突然な」
だから、今回は天海と蒲生を逮捕したことになる。
というより、蒲生は何故Aを調べていたんだ?そのことを質問する。
「天海に『今の人類とは異なる、全く新しい人類を見てみないか』と誘われたらしい」
「所謂マッドサイエンティストってやつだな」
「だが、望月氏より蒲生氏の方がAちゃんについて詳しかったね。やはり君の全てを知る天海がそばにいたからかな。君が何故あの病院で襲われたか理由も分かったよ」
近藤さんは非常に言いにくそうに、こほんと咳をしてからモゴモゴと口を動かした。
「君とその…そういう行為をして男性が昂ると、薬 物を摂取する以上の高揚感を得るそうだ。だから君を辱めた後皆虚空に向かって懺悔したり、祈ったりしたみたいだね。しかも君のその性 交して得られる高揚感は、フェロモンのようにたまに周囲にバラまかれてしまうときがあるらしい。それがこの前のお祭りであったようだね」
それは本人にも分からないタイミングで放出されてしまうらしい。困ったものだ。
「話が逸れたね。
で、その件の暴漢だけど、君と何度か交わったことのある人間だったそうだ。覚えてないだろうけど。君と何度か体を繋げると、繋げた男性は君の居場所が近いと君がどこにいるか完全に分かるらしい」
出てくる彼女の真実はどんどん彼女を人間から遠ざけていく。ああ、本当に人間ではないのだな、と心の奥でぽつりと思ってしまう。
だが、これで話の大部分が分かった。
「つまりはこうだ」
真選組が突入し、多くの信者や幹部が逮捕された。そこでAも保護。病院Aに運ばれた。この時点で近藤さんや土方さんはAが人間じゃないと勘づく。しかし公にできるはずがないのでこれを一時隠蔽する。
しかしその病院Aの精神科にぶち込まれてた暴漢がAを襲撃。これは俺が殺してしまった。暴漢はAと何度か関係を持っていたのでAの居場所が分かった。
Aを病院Bに転院する寸前、残りの信者達に襲撃される。おそらく暴漢と同じ理由だ。残りの信者達も居場所が分かったのだろう。俺はAを病院Bから急遽真選組に連れて帰る。
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作者名:ぽん酢ちゃん | 作成日時:2019年7月14日 19時