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久しぶりに戻ってきた江戸は






なにも変わってなくて、でも






どこか疎外感があった






なんとなく、もうここは居場所ではないよと






言われてる気がした







A「……」







Aは黙って上を見上げる






"万事屋 銀ちゃん"







そう書かれた看板を見つめ、帰ってきたと感じた





ここに立つと、Aは自分がちっぽけに見えた





情けなく思えた






前よりも力がついた腕、脚、






軽くなった身体






そうやって目に見えても





本当に強くなれたかなんて自信がなかった







鍛錬には終わりなんてなくて、






基準もなくて






だからこそ真選組は毎日欠かすことなく鍛える






本当に強い人は、自分に傲ることなくたたずむ






でも、今のAは思い上がるしかなかった






そうやって自分に自信を持っていないと






自分で自分を舞い上がらせないと








足の震えが止まらなかった






Aは自分が実際にどこまで戦えるかわからない






勝てる保証なんて、なかった






そんな無謀な闘いに挑もうとしていた







朝の光を吸い込むように







大きく深呼吸をしたAは口を開く






A「銀さん…神楽ちゃん、、新八くん、定春…





ただいま…





って言っても、







突然現れて、突然消えちゃうようなやつだから







忘れられてそうだけど…








だから、これだけ言いにきました







みんなに会えてよかった、本当に良かった






ありがとう…、、」








深く深くお礼をした








たくさんのごめんなさいと






たくさんのありがとうを込めて








そして……、さよならを込めて








届かないその言葉は朝の光に包まれて消える…







はずだった…








銀時「勝手にいなくなっといて




何いい言葉で締めようとしてんの?」







突然聞こえたその声は、





誰もいないはずの上から聞こえた






A「え…、、、な……んで……、、」







見上げたそこには3人と1匹の影が見えた






神楽「ほんとアル




こんな朝から待ってたのに締めないでほしいネ」






新八「まったくですよ、





誰かさんのせいで




僕に家事全部回ってきたっていうのに」





定春「ワンッ!!」







それは、忘れたくても忘れられない





泣きそうになるほど懐かしい人たちの声だった








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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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