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依央利「A…本当に1人で行くの、?」





A「うん、私が行かないと」






靴を履くAの横で依央利は心配そうな顔で見る






依央利「…やっぱり、、俺も行く!」





A「もう、、さっきから何度目?



来なくていいの、これは私の問題だから」







宗魅から紙切れが届いたのは昨日のことだった





待っています





そう書かれた紙、それに地図





いつからAがここにいることを知っていたのか





どこかで見ていたのか






考えれば考えるほど怖くなって






不安が焦りに変わって…




でも、







行かなきゃいけない





Aはそう思った





依央利「ねぇ、、、やっぱり…」




A「…はぁ、、




依央利…、今日まで私に稽古つけてくれたのは





感謝してる…、本当に、





でも、これは私が終わらせないといけないの






依央利、私、強くなれてるかな?」





Aは、依央利にそう聞く






依央利「強くなってるよ、




本当に強くなってる、Aはもう負けないよ」







Aの質問に依央利は迷いのない目で答える






その答えにAは満足そうに優しく笑う






A「それでも、私まだ不安なの…




だから、依央利、証明してよ」






依央利「証明…?」





A「強くなった私を信じて、帰りを待ってて」





Aのその言葉に、依央利はハッする、そして






依央利「そうだね、、、




うん、わかった、待ってる」






そう、うなづいた





A「じゃあ、、行ってくるね」





依央利「…うん、いってらっしゃい」






どこかの誰かが




行ってきますには




「行って」、無事に戻って「来ます」





と言う意味があると言っていた






別の誰かは





いってらっしゃいには




「行って」、何事もなく戻って「らっしゃい」




と言う意味があると言った







たった一言に込められた






沢山の思いは、たしかに2人に届く






どうか…、、無事に…、、







目を瞑った依央利はそう強く願った








Aは真っ直ぐ、自分の歩く道を行く









Aは江戸に向かう









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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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