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想像を絶するその過去にその闇に
銀時は何も言えなかった
どんな言葉をかければいいか分からなかった
A「兄は弟のために飛び出したのに
私はなにもできなかった
戦うことも、逃げることも、、、何も
自分だけずっと生き延びてきた…」
その瞳は何も映していなかった
ただ、Aの重たい言葉だけが病室に響く
A「結局、私はあの時からなにも変わってない
また、守られた、
また、失った
弱いまま、、、、ごめん、、、」
銀時「お前は弱くなんかねえよ
あいつが強かっだだけだ」
その言葉が精一杯だった
A「そうじゃない、違うんだよ」
そう笑うAの顔はゾッとするほど怖かった
私は、また踏み台にしてるのか
おじいちゃんに言われたその言葉を思い出す
いろんなやつの幸せを踏んでまで
自分が立っているのが情けない
私が歩いているのは
綱なんかじゃなかった
血と汚れと悲痛な叫びと
そんな場所をずっと歩いていた
Aはすっと立つと扉に手をかける
銀時「おい!どこ、行くんだよ!!」
A「あいつが狙ってるのは私だから…
この2人に謝っといて、
それで、もう守らなくていいからって
伝えておいて」
冷たいその言葉は矢のように刺さる
銀時「、、は?」
A「守って怪我するくらいなら
そんな弱い守り方ならいらない、迷惑」
Aの口から出たのはそんな冷たい言葉
神楽や新八には聞かれたくない言葉
銀時「てめえ、、、それ以上言うな」
銀時はその先を止めようとする
本心なわけがないと、確信してるから
Aを悪者にしたくなかった
それでもAは止まらない
ふっと笑うと
冷ややかな目を銀時に向ける
A「何度でも言うよ
そんな中途半端な守り必要ない」
(ばちん
銀時の平手打ちは
すごい音を立ててAに当たる
赤く晴れたその頬を触ることなく
口が切れたのか流れた血を拭うことをせず
Aは銀時をまっすぐ見て
そのまま病院を去った
じんじんと痛むのは叩いたこの手か心か
眠り続ける神楽と新八をみて
銀時「くそ、、、」
そう吐き捨てた
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時