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「ありがとう!Aさん!」
いつまでも文句を言う銀時の横をすり抜けて
晴太はAにお礼をし、お金を渡し
さっさと帰って行った
A「これ、一応、依頼だし
銀さん、お金、、」
銀時「ふん、ったり前だっての!!
俺だってな、本気出せばできるんだからな!?」
Aの手から奪うようにとったお金
羨ましさが滲み出るその言葉を残して
銀時は席を立つ
神楽「本当に銀ちゃんは大人げないアルな」
新八「本当ですよ、
というか、Aさんすごいですね
頭良かったんですね」
改めて褒められると照れる
A「いや、あれは本当そんなんじゃ…」
神楽「A、寺子屋行ってたアルか?」
A「寺子屋じゃないけど
一通りは教わってたよ」
新八「ひゃあー、だからか」
神楽「納得アル」
うんうんとうなづく2人
そのまま2人ともそれぞれどこかへ行く
1人になった居間で
「頭が良くてもなにも良くないのに…」
呟いた言葉は誰にも届かない
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その夜
久々に頭使ったAは
銀時がお風呂から出るのを待つ間
ソファでいつのまにかうたた寝していた
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浅い眠りは
不気味に笑ったあいつの顔を鮮明に映す
血で汚れた手を映す
声も音も聞こえないその場面は
パッと切り替わる
「お前には俺が死んだら
たくさん苦労させるかもしれない」
映し出された家、布団、そこに寝込む人
「お前は松浦みさきだ、宮本じゃない、松浦だ
いいか、そのことを忘れるなよ
お前は、俺の孫でも宮本家の人間でもない、
だから…逃げろ。逃げて逃げて逃げまくれ
幸せはどこにでもあるもんなんだ
ここにこだわる必要はねえ」
寝込んでる人の手が伸びて
Aの頭を撫でる
その顔は笑っている
不気味な笑いとは違うほっとするような笑顔だった
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お風呂から上がった銀時は
銀時「次、いいぞー、、」
そう声をかける
しかし返ってくる返事はない
濡れた髪を拭きながら
居間に戻ると
顔を歪めて辛そうに寝ているAが見えた
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時