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「ありがとう!Aさん!」






いつまでも文句を言う銀時の横をすり抜けて





晴太はAにお礼をし、お金を渡し





さっさと帰って行った




A「これ、一応、依頼だし




銀さん、お金、、」





銀時「ふん、ったり前だっての!!




俺だってな、本気出せばできるんだからな!?」






Aの手から奪うようにとったお金





羨ましさが滲み出るその言葉を残して





銀時は席を立つ





神楽「本当に銀ちゃんは大人げないアルな」






新八「本当ですよ、




というか、Aさんすごいですね





頭良かったんですね」






改めて褒められると照れる




A「いや、あれは本当そんなんじゃ…」




神楽「A、寺子屋行ってたアルか?」





A「寺子屋じゃないけど



一通りは教わってたよ」




新八「ひゃあー、だからか」




神楽「納得アル」





うんうんとうなづく2人




そのまま2人ともそれぞれどこかへ行く





1人になった居間で







「頭が良くてもなにも良くないのに…」






呟いた言葉は誰にも届かない









.




.









その夜





久々に頭使ったAは





銀時がお風呂から出るのを待つ間






ソファでいつのまにかうたた寝していた






_________________________





浅い眠りは




不気味に笑ったあいつの顔を鮮明に映す





血で汚れた手を映す





声も音も聞こえないその場面は






パッと切り替わる





「お前には俺が死んだら




たくさん苦労させるかもしれない」






映し出された家、布団、そこに寝込む人





「お前は松浦みさきだ、宮本じゃない、松浦だ





いいか、そのことを忘れるなよ




お前は、俺の孫でも宮本家の人間でもない、





だから…逃げろ。逃げて逃げて逃げまくれ





幸せはどこにでもあるもんなんだ





ここにこだわる必要はねえ」





寝込んでる人の手が伸びて






Aの頭を撫でる





その顔は笑っている






不気味な笑いとは違うほっとするような笑顔だった







_______________________






お風呂から上がった銀時は





銀時「次、いいぞー、、」





そう声をかける





しかし返ってくる返事はない




濡れた髪を拭きながら





居間に戻ると






顔を歪めて辛そうに寝ているAが見えた









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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時

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