番外篇:余計な言葉 ページ48
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そのまま別行動した私は
みんなに遭遇しないように隠れながら歩いた
『なに、やってんだか、、、、』
月詠さんのことが嫌いなわけじゃない
むしろ大好き
それなのに、今は顔も見たくない
これが、、、
『やきもち、、』
認めて大きなため息をつく
すごく、嫌いだ、こんな自分
自分に自信がないからだ
あんな場面の一つや二つ笑いで収めたかった
あんな冗談も交わせない自分がすごく惨めだ
考えれば考えるほど自分にイライラする
そのイライラはいつのまにか月詠さんに向く
嫌いだ、月詠さんなんか嫌いだ
銀さんのことが好きなところとか
それを認めないところとか
銀さんと並ぶとお似合いなところとか
2人で言い合いとかできちゃうところとか
全部全部…、、嫌いだ
月詠さんのと嫌いなところを並べるうちに
優しすぎるところも嫌い
強すぎるとこ
芯が通ってるとこ
思いやりが強すぎるとこ
たくさん我慢してるとこ
いつの間にか好きなところに変わってて
『もうーー、、、、嫌いになれるわけないよ…』
結局、私は月詠さんのことを嫌いになれず
悪者になりきれない自分が嫌で
中途半端な気持ちが嫌で
もやもやが晴れることなく帰路に着く
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『ただいま、、』
神「あ、おかえりネ!どこに行ってたアルか?」
『ごめんね、迷子になってて…』
神「またアルか?!A、音痴すぎネ」
『本当ね、、、』
銀「おかえり」
『あ、、ただいま』
銀「あいつも、心配してたぞ」
『あいつ?』
銀「月詠」
今、、1番聞きたくなかった言葉を
聞きたくなかった人に言われた
『そ、そっか、、、、ごめん、、』
銀「あいつに言ってやれよ」
『うん、、そうだね、、、』
心のもやもやを抑えるのに必死だったから
楽しい話題なんて見つからなかったから
『ぎ、銀さんと月詠さんって、、
お似合い、だよね、、』
出しちゃいけない話題が勝手に出る
銀「は?…、あ、もしかして、
嫉妬か??嫉妬だろ?」
にやにやしてる銀さんが当たってて
心を見透かされてるように笑うから
『そんなんじゃなくて、私なんかより……っ!』
悔しくて言い返しそうになった言葉を手で抑える
ギリギリで飲み込む
『あ、頭…冷やしてくる…』
銀「あ?…ちょ、おい!」
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月11日 3時