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「あと、私…嘘を見破るのが得意なんです!」
「へぇー、それは凄いなー。」
「なんか反応薄くないですか?」
今の彼女の言葉を真剣に受け止めた人はいなかった。
ムスッと、柊朔はした。
「嘘を見破るってのは、あれだろ?相手の行動とかを見て不自然な所に気づくから見破れるんだよな?」
「いいえ。普通に、それが真実か真実ではないかが分かるんです。例えば…鍾離さんって、往生堂で働くのが本職じゃないでしょ?」
「「……!」」
旅人とパイモンは慌てた。
しかし、等の本人は至って冷静にいた。
鍾離は腕を組んで、柊朔と目を合わせた。
「今は往生堂で働くのが俺の本職だ。」
「……まぁ、そういうことにしておきますね。人は、嘘を付く生き物ですから。」
柊朔はこれ以上問い詰めることはしなかった。
「さて、私は本来の目的を果たしに行こうかな。」
「そういえばなんでここにいたんだ?」
「琉璃百合を摘みに来たんです。琉璃百合が終わる前に摘みたかったんです。」
「鍾離と目的は同じなんだな。」
柊朔は鍾離を見た。コクコクと頷いていた。
「琉璃百合は、夏が一番の見頃だ。そろそろ夏も終わる。秋の始め辺りはまだ咲いている花もあるだろうが、段々に姿を消していくだろう。」
その話しをしている鍾離は、どこか悲しそうに話していた。
三人は花が終わるのが寂しいのだろうとしか思わなかった。
しかし、彼の胸の内にはもっと…深い意味があったのだ。
(琉璃百合が散る頃が……お前の命日だな。)
日が沈みかけていた。
何故こうなったかというと……。
必死にスライム退治をしてたからだ。
既にいなくなったと思いきや、まだまだ大量に残っており、それを二人(柊朔も少し)が退治したのだ。
「大量にいたな……。」
「何かスライムが集まりやすい何かがあるのかな?」
「ここは水辺もあるし、肥えた土もあるからな。」
スライムが暴れたせいで、少しだけ花畑が荒れてしまった。
仕方のない犠牲と言うべきなのか。
しかし、幸いなことに琉璃百合は残っていた。
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作者名:ふく | 作成日時:2022年8月10日 23時