【原神】月の命日 (ページ31)

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私達は昼食を共にしていた。
万民堂のご飯はやはり美味しいな。
トコトコと、何かが歩いてくる。

「……？あ、マルちゃん？！」

「え、お前、万民堂で働いてるの？」

「〜♪」

「お二人はグゥオパァーのことを知ってるんですか？」

ん？グゥオパァー？
万民堂の女の子が聞いてくる。
え、マルちゃん…そんな名前になってたの？

「あ、いや！二人は…その……。」

「ほほっ…私が教えたんじゃよ。」

「なるほど〜！」

「こっちお願いします〜。」

「はいただいま！」

え、待って。ん？え？
私達を助けてくれたこのおばあさんは…まさか……。

いゃ、聞かないでおこう……

「危ないぞ。二人はもういなくなってる身なんだからな。」

「分かってるけどね…仕方ないよ……。」

「本当に何千年も経ってるんだな……。」

私達は、人々と共に歩んでいくのは無理なのだろうか。
私達は…数千年間の出来事をしらない。

時代の流れにもついていけないだろうし、一体どうすればいいのだろうか。

私は人になりたいの……？

「あれ。旅人にパイモンじゃないか。」

「北斗？それに万葉まで。どうしたんだ？」

「ははっ。せっかく璃月港が賑わっているんだから来なきゃ損だろ。」

「というのも、あるのでござるが……。」

旅人さんが知り合いと話し始める。

私の視界には、いかにもお嬢様ぽい人がちらつく。

「実は婚約者から逃げてきたお嬢様を稲妻から運んできたんだ。」

なかなかに凄い言葉である。
彼女達の視線は、私が気になっていた女性を見ていた。

私達がいることにやっと気づいたのか、北斗という女性が謝った。

「旅人と一緒にいる人が他にもいたんだな。すまない。またな、旅人。」

「うん。」

旅人に手を振って二人は去っていった。

婚約者から逃げるお嬢様……。余程酷い人なのだろうか。

「誰の婚約者なんだろうな。お嬢様ってことは婚約者も良いところのお坊ちゃんだよな。なんか、ワガママなやつなのかもな。今度稲妻に行ってみたら聞いてみるか。」

「そうだね。ちょっと気になるし。」

流石旅人というべきか。

旅か……それもいいかな。