【原神】月の命日 (ページ29)

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「あら、旅人さんにパイモンちゃん。どうしたの？」

「鍾離から伝言を預かって来たんだ。」

なんだろう。二人の顔が若干呆れている。
一体何があったのだろうか。

「どうやらアイツ…自分の仕事を忘れて、柊朔と約束しちゃったみたいなんだ。」

「あら。」

「夕方頃には終わるから待っててほしいだとよ。」

そういえば、往生堂で働いていたもんね。
客卿だから忙しいだろうし。
というか、何故往生堂が月送りなんか……。

あ。

「そういえば、月送りは私の命日でしたね。正確には違いますけど……。あれ。でも、今年はそうなのかな？」

「満月の日が月送りだもんね。月の満ち欠けによって多少は変わるよね。」

「月送りは、裏ではきっと私のことを供養する儀式なんでしょうね。」

おそらく始めたのは鍾離だろう。
流石に私一人のためにこんな壮大なものは出来ないから、秋の実りに感謝する祭典になったんだろうけど……。

おそらく、沢山の瑠璃百合が見られるのは私が好きな花だったから。
品種改良してるのも鍾離だろう。

「そういえば、柊朔はなんで月姫って呼ばれてたんだ？」

「あぁ。多分…昔の逸話が拗れすぎてそうなっただけだと思います。数千年前の人たちから月姫なんて呼ばれたこと無いですし。」

「逸話？気になるぞ！」

「ははっ。対した話じゃないよ。私が満月の日に、瑠璃百合を輝かせただけなんだ。」

何故か知らないが、瑠璃百合を輝かせる力を持っている私。
瑠璃百合に愛されているのかしら。

「そういえば、軽策荘で確かに柊朔さんが触ったら光ったね。」

「そんなこともあったね。」

グシオンは私の悪いところをほとんど飲み込んだ状態で、私を外に出した。
すでにあの時には瑠璃百合を輝かせる力を持っていたのだな…

「そういえば、来る途中でグシオンらしき人を見けど…。なんか、怪しかったぞ。」

「え、なにしてるのあの人。」

「確かにあれは怪しかった。」

怪しいと言われるグシオン。心優しいはずなんだけど…
なんでそんな怪しい行動してるの？

「ちょっと…案内してもらってもいい？」

「分かった。」

私達は家を出た。