総務部のカノジョ７(JW桃)

336_works：pink side ページ36

*

【pink side】




「好きな人には好きな事しててほしい、
っていうか。そうゆうの、
なんとなくわかります」

冴『そうですよね。
せっかく才能あるんだし、
若いうちに頑張ってほしいってゆうか。』




Aちゃんと冴島さんは
うんうん、と頷き合いながら
ハイボールを少し口に含んだ。




桃『そうゆうもんすか…』

冴『…だからって潔く身を引きます、
って訳でもないけどね(笑)』




少しだけ不満そうな俺を諭すように
冴島さんは続けた。




冴『…なんていうのかな、
私もほんとは実家なんて
帰りたくなかったのよ。
でもね、歳老う度にこのままで
いいのかなって思うようになってさ。
両親だって歳は取るし、
このままだといつかは実家の稼業が
なくなっちゃうのかなって。
自分だけ好きな事してて、
甘えてていいのかなって思えちゃって。
社会に出て勉強させてもらった分、
そろそろ親孝行してもいいのかな、なんて
そんな気になっただけよ。』




いつもの冴島さんが
戻って来たような感覚やった。




キリッとしてて、
まっすぐ前しか見てないその目に
流星も惚れたんやろうな。




冴『まっ、最後に大きな仕事
任せてもらえたし、大満足よ』

桃『…えっ、最後って？』

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