Hidden love【JM】 ページ29
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分かっていたことだったのだ。
確かに僕は、彼女に全てを惹かれた。
「ジミンさん。」
「…なに?」
「僕、Aヌナのことが好きです。」
「…知ってるよ。」
殴り殺してやろうかなとも思った。
あーあ。もう良いって。抉るなよ。俺が可哀想だろうが。
「ジミンさん。」
「…だから、何。」
「正直まだAヌナのこと襲ったのは許してないですけど、今は許してあげます。」
「んだよムカつくなお前」
「…ちゃんと、幸せにしますから。」
そう笑ったジョングク。
分かっていたことだ。
頭の悪い僕でも、この恋は実らなかった事だというのはわかる。
少し前はジョングクもこの立場だったんだと思うとなんだか胸を締め付けられた気分だ。
僕は会ったその瞬間から彼女を襲ったんだ。
はは、虚しいもんだ。大人しく助けてれば良かったのに。
僕のこの気持ちは、どこに行くんだろうなぁって。
「…一発殴らせて。」
「あ、やっぱりそうなります?」
「幸せなままいけると思うな、歯くいしばれ。」
お前も僕をおいて幸せになるんだろ。
…結婚式とか、絶対に行ってやんねえからな。
ぎゅっと目を瞑ったジョングガ。
背も高くなってさ。
中学生の時は、僕より小さかったのに。
大人になったよな、ジョングガも。
額にデコピンをしてやった。
こつんって。指が軽く当たるくらいのデコピン。
「……僕の恋心、全部それに詰まってるから。」
幸せにしてやれよ。
たとえ一目惚れだったとしても、それには全てが詰まっていたのだから。
「……はい。」
ふにゃりと笑ったジョングク。
目尻が熱くなってきたのを感じて、慌ててジョングクの背中を押した。
「教師には僕が行っとくから!!早く家にでもなんでも行っちまえ!」
「え、ちょっ、」
「バーカ!もうアイス奢んねえからな!!」
バタリ。無理やり屋上の扉を閉めた。
テヒョンもジョングクも、変わったなあ。
辛いっていうか、寂しいっていうか。
1人取り残されたけど、それでもまぁ良いかなって。
目が痛くなるほどの快晴の日。
僕の中の隠れた恋は、幕を終えた。
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たまのんち - ジンさんメインのお話書いて欲しいです…。いきなりすいません!いつきさんの作品大好きです、ファイティン! (2019年7月23日 9時) (レス) id: 11b0bd599c (このIDを非表示/違反報告)
ユ ウ(プロフ) - 今回も人間味深い話でした。。次回ジミンちゃんの恋が実る話を期待しても良いですか…? (2019年7月14日 23時) (レス) id: 0fa0ce548c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(かなりのグクテテユンギペン) - もう最&高しか言いようがない!です! (2019年7月6日 21時) (レス) id: 60bba2aec4 (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです!その後とか見たいです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき x他2人 | 作成日時:2019年2月11日 12時