18 ページ18
.
少し服が乱れかけてるAヌナも、怯えた顔も、僕が付け直した噛み跡も。
全てが見えるこの絶景の中で。
『すっ、ストップ！！！』
僕はまた、Aヌナに手を出すことを止められたのだ。
「………は？」
『い、一旦心の準備………』
「とか言っといて逃げるじゃん。」
『そりゃ逃げますけどっ、………い、今のジョングクさん、怖いんです、』
「…僕が……怖い？」
『…め、めっちゃ……怖いです。』
怖い。言われた単語に身体が停止する。
あれ。優しいチョン・ジョングクはどこ行った。こんなに優しい僕が怖いだと？
「……なにが…」
『か、噛まれるの痛いし、……目が、なんか、』
「目？……怖くないでしょ？優しい優しいジョングクでしょ」
いつもみたいに笑ってみせた。昨日みたいに、ヌナが安心するような、優しい優しい笑顔。
なのに。Aヌナはまた怖がった。ひゅ、と息を飲む音が聞こえたのだ。何にそんなビビっているんだ。そう思った。
「…昨日の優しいジョングクだよ？ほら、昨日と同じ顔。ね？」
また反応しなくて。泣きそうになってるヌナの目元を拭った。びくって身体が震えていたのを見ては可愛いと思ったが、それ以上にビビってる姿に頭がこんがらがった。
大人しく抱かれろなんてAヌナに言うつもりは一切無いけど、本当に何が怖いのだろうか。
…ジミンさん突き飛ばしたから？さっき噛んだから？
「噛まれるの痛いの？怖いの？」
『いっ、痛いし怖いけど……ジョングクさんが、怖いです、』
「僕の何が怖いって言うのさ。ほら、スマイル」
『それが怖いんです、その顔、』
「…笑ってる顔が怖いって？おかしいよ、ヌナ。昨日と同じだよ？」
『…で、も……なんか、違うんです、…優しい顔じゃ、ないです…』
優しい顔じゃない？なんで？は？
意味が分からない。何が違うって言うのさ。この顔を昨日やった僕がしているんだぞ。出来ないはずがない。じゃあ何が。分かるわけねえって。マジでどう言うことなの。
「…ジミンさんにキスされた？」
『さ、されました、』
「ここ噛まれた？」
『噛まれました、』
「服は？」
『…ぬ、脱がされそうに』
「僕が嫉妬する理由くらい、分かるよね。」
たかが誘拐犯、されど誘拐犯。愛が重いのくらい分かるでしょ。
誘拐しちゃうくらい好きなんだよ。救ってくれたAヌナが僕の1番なんだよ。
僕だけを見て、Aヌナ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2049人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまのんち - ジンさんメインのお話書いて欲しいです…。いきなりすいません！いつきさんの作品大好きです、ファイティン！ (2019年7月23日 9時) (
レス) id: 11b0bd599c (このIDを非表示/違反報告)
ユ ウ(プロフ) - 今回も人間味深い話でした。。次回ジミンちゃんの恋が実る話を期待しても良いですか…？ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 0fa0ce548c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(かなりのグクテテユンギペン) - もう最＆高しか言いようがない！です！ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 60bba2aec4 (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！その後とか見たいです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いつき
x他2人 | 作成日時：2019年2月11日 12時
